自分自身の育て方

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社会人になって間もない頃は、誰しも上司や先輩から言われる指示をこなすだけで精一杯。人に習い、経験を少しずつ増やしていくことで、だんだんと仕事の全容が理解できるようになる。

やがて仕事をひと通りこなせるようになり、自分自身の仕事の意味、会社と顧客の関係や社会とのつながりが見えてくると、「こうしたほうがもっとうまくいくのではないか」「こういうやり方もトライしてみたい」というアイデアや自分なりの意見も生まれる。

すべての人がそうではないかもしれないが、少なくともこのコラムの読者のように、自分自身を向上させる意欲が高い人たちは特に当てはまるのでないかと思う。

しかし、上司の考えがそれと必ずしも一致するとは限らない。上司と意見がぶつかった時、どう振る舞うべきか。私のアドバイスとしては、まずは上司の意見に素直に耳を傾けてみることが第一だと思う。

なぜなら、上司には経験の数だけ知見があり、その立場だからこそ見えている世界がある。自分自身の経験による学び、そして若手のメンバーの立場では得難い情報を元に判断し、高い視座でチームの仕事を設計するのが上司の役割だ。

「上司は自分よりはるかに広く深い見方で、ものごとを判断している」という前提に立ち、リスペクトすることが基本姿勢としてあるべき姿だと思う(まったく当てはまらない上司の場合は、異動か転職をお勧めしたい)。

上司の意見を素直に受け入れ、行動した先には、「なるほど。上司はこういうことを言いたかったのか」と納得できる気づきがきっとある。同時に、一段成長できた自分と出会えるだろう。

対立は失敗でなくチャレンジだ

しかしながら、「上司の指示がどうしても理解できない。何度考えても、他の方法をやるべきだという気持ちが収まらない」というケースもあるだろう。そんな時は、無理に自分を抑えまず、しっかり上司に意見を伝えてほしいと思う。

勇気を持って上司に意見したところで、受け入れられるとは限らない。むしろ、否定され、叱られる可能性のほうが大きい。それでも、「自分として、その時にベストだと思うことを最大限にトライした」という実感を持てることが重要だ。

「上司には受け入れられなかったけれど、あの時、自分の意見を伝えることはできた」という経験は、決して“失敗”ではなく、ひとつの“チャレンジ”だ。

意見が採用されなかったとしても、意見をきっかけにして上司からさらなる説明を受けられたり、より本質的な議論ができたりと、コミュニケーションはきっと深まる。

文=中竹竜二 構成=宮本恵理子

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