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2019.08.29 07:30

べゾスを陰で支えた天才たち|アマゾン ジャパンができるまで 第7回


他にもベゾスの近くで彼を支えた天才に、デビッド・リッシャーというエグゼクティブがいた。当時は、サードパーティーが出品した商品を扱うストアは、アマゾンから直送する商品とは別になっていたが、リッシャーらがメンバーとなり、「SDP(シングル・ディテール・ページ=1ページに商品のすべての詳細が表示されるシステム)」という画期的なシステムを構築された。

つまり、アマゾンのディストリビューションセンターに在庫がある商品とマーケットプレイスのページを「分けずに一緒に表示する」というアイデアだ。顧客第一主義に立たてば、カスタマーにとって「どこの倉庫から発送されるか」はまったく関係ない、まとめてしまえ、という最高の起死回生策だった。まさに『コロンブスの卵』である。

ハーバードビジネススクールでベゾスと大学の同級生だったリッシャーは、見るからに理知的な印象の人物だった。曽根は、きっと彼が、ジェフと一緒に戦略を考えているんだなあと思いながら眺めていた。

「数年後に退任することになるんですが、彼がアマゾンによってどれだけ特別だったかは今でも計り知ることができます。なぜなら、退任する彼に心からの感謝を示したべゾスのメッセージが、今でもアマゾンのHP上の、誰でもアクセスできるところに隠されているから。こういうのをアメリカでは『イースターエッグ(埋められた宝物)』って言うんですが、サイト内の「https://www.amazon.com/gp/site-directory」の一番下のほうの中央部に透明なクリック出来るエリアがあって、うまくポインターが当たると、「https://www.amazon.com/gp/feature.html?ie=UTF8&docId=447307」に飛べるんです」

ちなみに西野は、2002年の本社でのオールハンズ・ミーティングで、ベゾスがリッシャーの退職をみなに告げた上で、アマゾン・ドット・コムのライブサイトを投影し、自らポインタを「ここかな?」「ここかな?」と当てなおしてリッシャーのページを見せた、という場に立ち会っている。

「集まったみんながわあっと湧いて。実に感動的な場面でした」と西野は思い返して言う。「ベゾスはこの時、『トップページのどこか に、このイースターエッグを埋めたんだ!』って、得意げに、あの高笑いとともに説明していました」

こういった「イースターエッグ」は、実はリッシャー以外の元社員のものも、サイトのどこかに埋められているという。











曽根康司◎株式会社キャリアインデックス執行役員、社長室長。慶應義塾大学法学部政治学科卒。慶應義塾大学大学院経営管理研究科修士課程EMBAプログラム在学中。「焼肉探究集団ヤキニクエスト」メンバーでもある。

野口 真◎Naked Running Band など海外スポーツ関連ブランド商品の輸入販売とECコンサルを手がけるRufus & Company LLC 経営。東京外国語大学ロシア東欧語学科卒。デジタルハリウッド大学大学院DCM修士。トレイルランナー、トライアスリートで過去4回の100マイルレースとアイアンマンも完走。

文=石井節子/福光恵 構成=石井節子 写真=帆足宗洋

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