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──起業家がチーム作りをするために何が必要ですか?

村田:どれだけ「チーム作り」にコミットできるかではないでしょうか。メルカリの山田(進太郎)さんは、とにかくしつこく口説いていったじゃないですか。自分自身のエフォートの中で、半分以上、チーム作りに使っていったからこそ、あのチームが作れたと思います。そして引っ張ってきた人の紹介でさらにまた人が集まるという好循環を作れた。スケールする会社のトップマネジメントは、採用の重要性をよく知っています。

起業家は、どうしても資金繰りとプロダクトに頭の大半を使ってしまいがちですが、どれだけ「チーム作り」を大切にできるか。キャッシュフローを生む源泉であるチームこそが、スタートアップの最大のプロダクトだと思います。

今でこそ、プロダクトを伸ばすためにカスタマーサクセスの重要性が認識されてきましたが、チームにもグロースする方法があります。カスタマーサクセスならぬエンプロイーサクセスを形成していくための組織としての受け皿をどうつくるかが、非常に大事になっていきます。高いレベルを求められますが、うまくいっている企業の起業家、経営者は、ここに注意を向けるマネジメントをしていますね。

「起業家としてのピーク」を設計せよ

──創業3年目以内のスタートアップがさらなる成長をするために重要なことはなんでしょうか。

グロービス・キャピタル・パートナーズ 高宮:現在、シード・アーリーステージのスタートアップの起業家は、1. 連続起業家(シリアルアントレプレナー)、2. メガベンチャー出身の起業家、3. プロフェッショナルファームや大企業出身の起業家、4. 学生起業家も含めた若い起業家──と多様化し、層が厚くなっています。だからこそ、創業3年目以内の起業家は、自分たちのポジションを考えて、戦略的に立ち回る必要があります。

受験テクニック的な要素もあるのですが、今後はそれぐらい競争が激しくなるということだと思っています。例えば、同じ事業領域でシリアルアントレプレナーが競合として現れる可能性もあり、まったく同じモデルだとすると実績、信用からくる資金調達、採用など分が悪い部分が多くなってしまいます。

とはいえ、矛盾したことを言うと、受験テクニック的に勝算がないからといって起業しないという話でもありません。情熱があって、課題に対する問題意識があれば、勝算抜きにしてやるべきだと思います。

現在のスタートアップシーンは、スナップショットで切り取ると「起業家が多様化している」となるでしょう。しかし、一人の起業家のキャリアという観点で見ると「キャリアの中でのピーク設定が柔軟になった」。もしくは、「起業家という一生かけて取り組むキャリアパスが可能になった」へと変化しました。一発必中で起業したら成功しなければダメ、失敗したら落伍者になるという時代はとっくに終わり、「最悪、メガテック企業が雇ってくれるというセーフティネットがある」というところからも進化しています。

例えば、学生起業家として仮に失敗しても、アクハイヤーされたり、メガテック企業に参画し、そこで修行した後に、再度起業するという選択肢もできました。また、学生起業家として、M&A(合併・売却)するなど、クイックに成功し、シリアルアントレプレナーとなるケースも出てきています。一発必中で成功すればいいですが、それ以外でも様々なルートで「起業家としての成功」を長期的な目線で設計できるようになりました。

文=山本智之

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