フェイスブックの参院選投票キャンペーンは、若年層に訴求するか

画像提供:facebook

フェイスブックは、2012年に買収したインスタグラムとともに、7月21日に行われる参議院選挙に向けて、より多くの人に投票を促すキャンペーンを始めている。総務省の調査によれば20代の投票率は60代の投票率の約半分で、今回のキャンペーンでは特に若い人たちの投票率アップを狙っている。

具体的には、フェイスブックでは、参院選投開票日に投票に行くように呼び掛ける機能「投票者メガホン」がニュースフィードに現れる仕組みになっていおり、「今日は選挙の日です!」のメッセージとともに、「投票したことを友達に知らせよう」と書かれたボタンが出現、ボタンを押せば、自分のタイムラインに「第25回参議院議員通常選挙で投票しています」とコメントが投稿される。

インスタグラムでは、ストーリーズ機能で使える「投票完了」や、「7.21」などと書かれたスタンプを新しく追加した。そのスタンプを使用した友達の投稿を見ることで、インスタグラムユーザーの若い人たちが、もっと選挙を身近に感じて、投票に行くように促す狙いだ。また、他の人が投稿したストーリーズでそのスタンプをタップすると、自動的に参議院選挙の特設サイトが表示されるようになる。日本では初めての取り組みだ。

フェイスブックと選挙。両者は切っても切れない関係にある。

ウォール・ストリート・ジャーナルなどによると、アメリカ連邦取引委員会はプライバシーとデータ保護をめぐる違反行為への調査に関して、フェイスブックに50億ドルの制裁金を科す和解案を承認した。2016年のアメリカ大統領選で、ドナルド・トランプ陣営をサポートした政治コンサルティング会社ケンブリッジ・アナリティカを巡る個人情報の流出が問題になったからだ。

選挙について痛い目を見たばかりのフェイスブック。同社にとって、選挙はどのような意味を持っているのだろうか。今回のキャンペーンを仕掛けた日本の担当者に話を聞いた。

━━フェイスブックが選挙に積極的に関わるのはなぜでしょうか。

選挙について家族や友人と議論ができるプラットフォームでありたいという思いから、選挙に関しての取り組みを続けています。

安全・安心なプラットフォームづくりはフェイスブックにとっても最も重要なことであり、選挙を守るための取り組みは最優先事項の1つです。これまでも人員やテクノロジーへの投資を続けており、選挙広告の透明性を高め、フェイクアカウントや不適切なコンテンツへの対処にグローバルで取り組んでいます。
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文=井土亜梨沙

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