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小暮:バーニーズ ニューヨークはイタリアのファクトリーで多数のオリジナル商品をつくらせていますが、ナポリ風というと、これはイタリア製ですか?

森岡:実はですね、“マディソン”“マンハッタン”“マディソン ゴールド”で展開するドレスクロージングはすべてが日本製です。

小暮:数は昔のように多くはありませんが、日本にも優秀なスーツファクトリーがありますからね。ナポリの職人的な仕立てだってできるわけですね。私も日本の工場をいくつか、取材したことがあります。

森岡:スーツで肝心なのは、型紙=パターンですが、このレーベルのパターンナーも日本人が採用されています。

小暮:スーツはブランドや仕立ても重要ですが、着る人にフィットしていることが何より大事です。最近、若い方の体型が変わり、足も長くなりましたが、それでも胸が薄く、前肩といった日本人の体型の特徴は解消されていません。そういった体型や嗜好などを熟知したパターンナーでないと完璧に日本人にフィットするドレスクロージングはつくれないとバーニーズ ニューヨークは考えたのでしょうね。

森岡:その通りです。それに日本のスーツファクトリーの縫製はまさに精緻。加えて、この“マディソン ゴールド”のジャケットのように、ナポリ流の柔らかい仕立て、首に吸い付くようなラペルのぼり、適度な雨降らしの肩など、職人的な技術ももっている。

小暮:パッと見ると、ナポリ製と思えるほど。それにこのジャケット、生地はドーメルじゃないですか。フランスの生地メーカーですが、織っているのはほとんど英国です。ナポリで取材すると、サルトリア=仕立て屋が使うのはこの生地のようなハリがある英国製生地がほとんどでした。

森岡:ナポリの仕立てを生かしながら、インターナショナルな感覚で仕立てたというイメージではないでしょうか。

小暮:世界を舞台に活躍する、まさしく紳士が選ぶべきジャケットですね。


森岡 弘◎『メンズクラブ』にてファッションエディターの修業を積んだ後、1996年に独立。株式会社グローブを設立し、広告、雑誌、タレント、文化人、政治家、実業家などのスタイリングを行う。ファッションを中心に活躍の場を広げ現在に至る。

小暮昌弘◎1957年生まれ。埼玉県出身。法政大学卒業。82年、株式会社婦人画報社(現ハースト婦人画報社)に入社。83年から『メンズクラブ』編集部へ。2006年から07年まで『メンズクラブ』編集長。09年よりフリーランスの編集者に。

photograph by Masahiro Okamura, text by Masahiro Kogure, fashion direction by Hiroshi Morioka, illustration by Bernd Schifferdecker, edit by Akio Takashiro

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