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2019.07.19

米トイザらスが復活へ、年内に「体験型」の2店舗を開業

Gettyimages

経営破綻した米玩具大手トイザラスの商標権を保有するトゥルー・キッズ(Tru Kids)は7月18日、次世代の小売業者「b8ta(ベータ)」との提携により、トイザラスを再生させると発表した。

トイザらスの元幹部でトゥルー・キッズ最高経営責任者(CEO)のリチャード・バリーによれば、同社とb8taは今年11月、テキサス州ヒューストンとニュージャージー州パラマスにあるショッピングモール内に新店舗をオープンする予定。店舗面積はいずれも約600平方メートルで、従来のトイザらスの4分の1ほどの広さとなる。

また、b8taの共同創業者であるフィリップ・ローブ社長によると、生まれ変わったトイザらスは2020年末までに、その他10店舗を新設する計画だ。年内に開業する2店舗よりも広い、930平方メートル程度とする考えだという。

「次世代型」のパートナー

小売業界の改革を目標に掲げるb8taは、2015年に創業。主に家電を販売する実験的な店舗をカリフォルニア州パロアルトに開設した。「体験型」の同店では、メーカーは店内に製品を置くために料金を支払い、消費者は店内で製品を実際に試すことができる。

b8taは現在までに、ニューヨーク・マンハッタンのハドソンヤーズなど注目度の高い施設を中心に、国内に17店舗を開業している。

ビジネスモデルに「サービスとしての小売」という考えを取り入れているb8taは、小売業者がベンダーに商品の展示スペースを貸し出す仕組みを考案。運用を支援するためのソフトウェアを開発した。消費者から収集したフィードバックをオンライン販売に役立てることも可能にしている。

「トイザらス」のロゴも復活

トイザらスの新生は、b8taとトゥルー・キッズの折半出資による合弁事業だ。だが、店内に「b8ta」の社名は出さない方針だ。2017年に破綻したトイザらスの従来のロゴを使用し、完全に「トイザらス」として営業する。

バリーは新店舗について、子供たちが遊べるスペースやデモンストレーションなどの「アナログ」な体験と、「デジタル」な体験の両方が可能なものになると説明する。また、商品の在庫がない場合でも、店内に設置したスクリーンとキオスクを通じて、toysrus.comから購入することができるという。

生まれ変わるトイザらスは今後も、そのルーツを忘れないことを重視していく考えだ。バリーは、「誕生から70年以上がたつトイザらスは、素晴らしい遺産を持つブランドだ。私たちはその遺産を頼りにしていくつもりだ」と述べている。

新店舗には、長年にわたり愛されてきたトイザらスのマスコット、キリンの「ジェフリー」をはじめ、おなじみの顔ぶれがそろうことになる。店の入り口に置かれる大きなジェフリーのフィギュアと一緒に、セルフィー(自撮り写真)を撮ることもできる。

編集=木内涼子

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