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ニッポンのアイデンティティ


──たしかに、言語は文化の根源と言えますし民族の宗教観、世界観を伝承する手段です。先祖が大切にしてきた価値観を伝える大切なものだと思います。大和民族の価値観を表現した日本語にも、一つのモノ、事象を様々に表現することばの豊かさがありますし、オノマトペと呼ばれる擬声語・擬態語がたくさんあることも大きな特長です。私もアイヌ語を知ることで、なんとなく話していた日本語の表現に対し敏感になりました。

言語は文化にとって切り離せない存在だと思います。特に文字がなく、口承だったアイヌ文化にとってアイヌ語はとても大切なものです。また、踊りや刺繍など様々あるアイヌ文化の中で、私が幼い頃から触れてきたのがアイヌ語でした。

父がアイヌ語を熱心に勉強していましたし、アイヌ文化について教えてくれた近所のおじいさんおばあさんたちも、やはり自分たちの言語の重要性を教えてくれました。だから、アイヌ文化を広めようと思ったとき、私がまずできることから始めようと考えたら、それがアイヌ語に行き着いたのです。 

──幼いころからアイヌ語に囲まれた生活の中から、アイヌとしてのアイデンティティも育まれていったのでしょうか?

アイヌという言葉そのものは、北海道などの先住民族を指す言葉として使われていますが、もともとは「人間」という意味なんです。私の周囲も、「人間」という意味でアイヌという言葉を使っていたし、私も幼い頃からそういう意味で教えられ、使ってきました。

ですから、改めて「私たちはアイヌだ」という意識を持つことは、あまりなかったんです。どちらかというと、アイヌ語やアイヌ文化に根差した個性を持っているという感覚です。アイヌが多い地域から離れたあとも、いまだにその感覚が強いですね。

──大和民族が人口の圧倒的多数を占める東京で自らをわざわざ大和民族だと意識しないのと同じように、摩耶さんにとってもアイヌであることは当たり前の感覚だったんですよね。ところで、ラジオ番組で去年は相当忙しかったと思いますが、今年は何か新しい取り組みなど考えていますか?

ユーチューブを始めました!

──ユーチューバーになったんですか? それはまたなぜ?

いま気軽にアイヌ語に触れることができる機会は少ないと思います。だから、気軽で親しみやすくアイヌ語を知ることができる方法を作りたくて、ユーチューブという形で発信しようと考えました。


ユーチューブ第1回はアイヌ語の自己紹介について。摩耶さんとアシスタントがお喋りしながら進行する。時間も数分程度で気軽に観ることができる。※現在「しとチャンネル」という名前で随時更新中。(シトはアイヌ語で団子のことで、摩耶さんの好物)

文=谷村一成

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