都市型水害が起きたらどうする? もしもの時の安全確保

2018年7月8日、広島県熊野町。住宅に土砂が流れ込んでいる。(Getty Images)

平成最大規模の被害を出した西日本豪雨。最近も各地で集中豪雨に見舞われている。前編に引き続き、2018年7月の豪雨によって甚大な被害を受けた広島からのメッセージをお伝えする。

被害を最小限にとどめるため、西日本豪雨のような、水害を含む有事の時はどうしたら良いのか。万が一に備えていても、不安は多いのではないだろうか。

広島県の三宅操減災対策推進担当課長は「命を守るためには、明るい時間に安全な場所に避難することが大事」と説明する。夜間の場合は、避難経路の安全を確認した上で、十分に注意することが肝心だという。特に高齢者や子供のいる家庭などは、明るい時間帯に早めの行動が求められる。

また、避難勧告が発令された時にすでに身動きするのが難しい場合は、指定避難場所でなくても周りの安全な場所に行った方が良い。もし夜間などで外の様子が分からない場合、山や崖など土砂災害の危険性がある地域では、山などとは反対側の屋内で待機したり、水害の場合は上階で避難する「垂直避難」をしたりすることが有効だ。

都市型水害に注意

また、都市部では多少異なる対応を求められるだろう。「東京防災」(東京都発行)によると、都市部の河川や下水道は、一般的に1時間50ミリの降雨を想定してつくられており、想定以上の降雨では「都市型水害」が発生する可能性がある。

東海地方では17日未明、局地的に激しい雨が降ったことにより、名古屋の栄の地下街や地下鉄の駅が浸水し、明け方に一部の出入り口や改札口が閉鎖された。

都市型水害では、地表がアスファルトなどに覆われていることにより、局地的な集中豪雨が発生すると、一気に地下街や半地下の家屋、地下道路などは冠水しやすくなり、安全な場所へ避難する。水害を察知する目安として「もくもくと積乱雲が大きくなった、真っ黒な雲の接近、雷鳴が轟くなどの前兆の後、集中豪雨はあっという間に都市を襲う」と記されている。

冠水している道路は、マンホールや側溝のふたが外れて転落する可能性があって危険。止むを得ず通らなければいけない場合は、傘などで地面を探りながら移動すると良いという。
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文=督あかり、須貝直子

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