経済・社会

2019.07.21 11:00

都市型水害が起きたらどうする? もしもの時の安全確保

2018年7月8日、広島県熊野町。住宅に土砂が流れ込んでいる。(Getty Images)


自分の住む場所や職場、実家の近くに、どのような危険が迫っているのか。土砂災害などの危険を知る手立てとして、アプリで使える広島県発の「防災マップ(大雨警戒レベルマップ)」も誕生した。
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ヤフーと「防災マップ」を開発

広島県は、ヤフーと「災害に係る情報発信等に関する協定」を結んでいたことから、ヤフーに「アプリを活用した情報発信をしたい」と相談したところ、防災マップを共同開発することに。昨年10月初旬から進め、6月末にアプリ「Yahoo!防災速報」内で運用を開始した。

アプリ開発に関わった広島県土砂法指定推進担当の古川信博は、昨年の西日本豪雨でもスマートフォンを使って情報収集している人が多かったことに触れ、「災害による人的被害をなくすためには、早めの避難が重要。そのため、避難行動を促す情報発信が全国で今、求められているのではないか」と開発のきっかけを語る。
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アプリには現在地のほかに、全国どこでも職場や自宅など3地点を登録でき、防災マップを通して大雨による危険度の確認が可能だ。土砂災害と河川洪水の危険度が4色に色分けされ、視覚的にもわかりやすい。マップは広島県が調査した土砂災害防止法に基づく土砂災害警戒区域に、今年から新たに定められた気象庁の5段階の土砂災害危険度情報を重ね合わせてつくられ、早めの避難行動を促す狙いだ。



全国に約66万8000箇所(推計値)あるとされる土砂災害警戒区域。さらに古川は「土砂災害警戒区域の外は安全だという誤解を招かないように意識した」と振り返る。「今回開発した『防災マップ』では、危険な場所の情報を入手できるが、地域全体で声を掛け合って早期避難に繋げていただきたい」

広島県では、昨年に多くの高齢者が逃げ遅れた教訓をふまえて、アナログな方法でも早期避難の周知を呼びかけている。6月に新たに作られた防災ポスターは、私たちに端的な言葉でこう訴える。

「助け出す」より「連れ出す」ことをまず、考える。

自分の命を守る行動が、人の命を助けることになる。集中豪雨や台風、地震など、いつ災害が起こるかは分からない。いつでも心に留めておきたい広島からのメッセージだ。

文=督あかり、須貝直子

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