ビジネス

2019.07.19

会社の方向性をぶらさない採用の方法「自浄作用が働くか」|ライフスタイルアクセント山田敏夫

ライフスタイルアクセント 山田敏夫

「日本の工場から、世界一流のブランドを作る」というビジョンに基づき、山田氏自らが直接足を運んで厳選した工場と顧客とを直接繋ぐファッションブランド「ファクトリエ」。同ブランドを生み出し、ものづくりのあり方を変えようとするライフスタイルアクセント代表取締役・山田敏夫氏に、社会的価値を生み出す起業についてドリームインキュベータの小縣拓馬が聞いた。(全6話)

リスクを徹底的に可視化し、覚悟を決める

──起業家にとって大事な3つの要素の中で、まず視座を高く持つことが重要ということでしたが、ベンチャーを経営していると、壁にぶつかって志がブレる……なんてことも起こりがちなのではないかと思います。そういう志のブレが生じたことはありましたか?また、生じたとしたらどうやって乗り越えましたか?

いままで志がブレたことは全然ないんですよ。

我々がやってることは「日本や世界におけるものづくりという文化を絶対に残していくべきだ」という信念のもとやっていて、その想いにブレはありません。

一方で、その裏では挑戦したときに負うべきリスクを出来るだけ可視化する努力もしています。リスクは目に見えないから怖いんです。できるだけチャレンジにおけるリスクを可視化して可視化して可視化していくと、最後にはお金の話になります。それだったら、たとえば、私が30年アルバイトすれば借金は返せるだろうな、とか覚悟を決められますよね。社会にも迷惑をかけないですし。

むしろ、得体のしれないリスクを恐れて他と変わらないことしかしない、チャレンジをしないことの方が一番怖い。たとえば卸を始めるとか、原価率を下げるためにアジアで作り始めるとか。そうすると我々の存在価値は無くなってしまう。自分のやろうとしていた世界と食い違いが出てきます。だからこそ、リスクを徹底的に可視化することで、志がブレないようにしています。

──リスクを可視化したうえで、それを背負う覚悟を決めておられる。

時代の新しい扉を開く人は、誰しもがリスクを背負う覚悟を決めていますよね。坂本龍馬だって、「新選組から斬られるかも」と思って何もしなかったら時代は変わらなかった(笑)。

我々も時代の新しい扉を開く一助をしていると思っています。
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文=小縣拓馬 提供元=Venture Navi powered by ドリームインキュベータ

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