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2019.07.20

MINI初のEV「クーパーSE」 趣味性高いプレミアム・コンパクトの新境地

MINI 「クーパー SE」


MINI初の完全EV

MINIクーパーSEは、ボンネットの下に搭載していたエンジンを廃し、かわりにトランスミッションと一体化したモーターを組み込んだ、まさに21世紀のMINIだ。このパワートレインは出力135kW(184ps)、トルク270Nmを発生し、これをフロア下に詰め込んだ32.6kWhのバッテリーで駆動する。

EVなので、フロントのグリル部分に開口部はほとんどない。そしてそのフロントグリル部やリアのテールゲートには、MINIクロスオーバーPHEVと共通の、電気プラグとアルファベットの”E”をイメージしたバッジが、ライムイエローのアクセントともにあしらわれている。またMINIクーパーSEではサイドミラーも同じイエローで塗られている。



重量のかさむバッテリーを搭載するため、ガソリンエンジン仕様のMINIクーパーSに比べると、その車重は145kgほど重い1365kgになった。それでも0-100km/h加速は7.3秒ほどであり、クーパーSをややおとなしくした程度の必要充分な瞬発力を備える。排気管のレイアウトが不要になったアンダーフロアやリアエプロンには、エアダクト構造を配して空気抵抗を低減、バッテリー配置による重心引き下げ効果もあり、MINIクーパー S特有のゴーカートのようなダイレクト感をもたらしたという。なお、最高速度は150km/hでリミッターがかかる仕様になっている。

バッテリーの充電は家庭用コンセント電源をつかう標準ケーブルが付属する。またオプションの三相ケーブルを使って最大容量11kWでの充電が可能。さらに、公共の直流急速充電ステーションでは最大50kW充電に対応し、わずか35分でバッテリー容量は80%にまで回復する。満充電では、走行可能な距離は最大270kmとなる。

ドライブモードは4種類があり、とにかくスポーティな走りを楽しむなら「スポーツ」モードが最適だ。このモードはハンドリングがより機敏に反応し、マシン全体のレスポンスが向上する仕掛けとなっている。一方で少しでも航続距離を伸ばしたい場合には「グリーン」もしくは「グリーン+」モードが用意される。これらはクイックなハンドリングはそのままに、ドライブトレインを最大効率になるよう制御し、長距離走に向く走りを提供する。なお、「グリーン+」モードでは、暖房やエアコンディショナー、シートヒーターといった快適機能を制限もしくは無効化、若干のストイックさをドライバーに求めつつ最大限の走行距離を引き出す。
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文=Munenori Taniguchi

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