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レストラン「été(エテ)」のオーナーシェフ・庄司夏子

「幻のケーキ」。レストラン「été(エテ)」のオーナーシェフ・庄司夏子のつくるマンゴーのケーキは、そんな異名を持つ。

上質な紙を使った黒い箱と、ばらの花のようにカットしたマンゴーの盛り付けは、まるでジュエリーのような見た目だ。1台約1万円という高めの価格設定だが、数カ月先まで予約がうまっている。香港でのイベントでこのケーキを披露すると、SNSを通じて瞬く間に世界中の食通のあいだで話題になった。今では、国内外のトップシェフや著名人が彼女の店に訪れている。

男性が大多数を占める料理の世界で、女性シェフはごくわずか。しかも、庄司はまだ29歳という若さだ。自らの力で道を切り拓く女性たち「SELF MADE WOMEN100」を紹介する連載企画。7月25日発売のForbes JAPAN9月号でも特集するこの企画で、今回は人気女性シェフの「世界で認知される」秘策に迫った。

──まずはマンゴーのケーキについて教えてください。とても独創的な見た目が話題を呼んだ要因と思いますが、どのようにして考え出したのですか。

まずは、見たら3秒で「été」のケーキだとわかる他にはないものを作って、世の中に認知してもらおうと思ったんです。そのためには、センセーショナルなものにしなくてはいけない。だから、一見、ケーキとわからないものにしたかったんです。そこで思い浮かんだのが、ジュエリーのようなケーキでした。

──ケーキが有名ですが、庄司さんの肩書きはパティシエではなくシェフですね。「été」も、実はケーキ専門店ではなく、1日1組、4席のみのプライベートレストラン。ただし、ケーキを買った人しかレストランの予約ができない、というかなり独特なスタイルをとっていらっしゃいます。どのようにして、今のやり方にたどり着いたのですか。

私自身が、はじめはお金がなくて人を雇うことができなかったので、自分ひとりでまわしきれるお店にしようと思ったのがきっかけです。お客様を待たせずに常に最高の状態で料理を出し、自分でサービスもして、お客様にちゃんと満足していただくためには規模を小さくするしかありません。そこで、1日1組、4名に絞りました。特徴のあるスタイルですが、人件費や設備投資をカットして初期投資を安くできるので、若くして独立したい人にはおすすめの方法です。

もともと、ハイエンドのファッションブランドのような世界観をレストランで実現したいという気持ちがありました。ブティックに行くと、単に商品を買うだけではなくて、丁寧な接客を受けて、包装する待ち時間はテーブルに通されたりして、最高の時間を体験できますよね。自分のレストランも、ブティックのようにすべてが最高の空間にしたいと思っているんです。

ただ、はっきり言って、それでは経営が成り立ちません。そこで、まずはケーキを有名にして収入を確保しようと決めて、レストランの宣伝はせずにケーキに専念しました。1年くらいでケーキが有名になってくれたので、次に、完全紹介制で、うちの1万円もするケーキを買えるお客様を想定した客単価でレストランを始めました。

構成=吉田彩乃 イラストレーション=Willa Gebbie

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