現在24歳のオースティン・ラッセルは3年前にルミナーを設立し、現在は同社のCEOを務めている。ラッセルは、同社の累計調達額が2億5000万ドル(約270億円)に達したことを明らかにした。同社が開発した「Iris」プラットフォームは、最新のレーザーセンサーとソフトウェアをパッケージ化し、車両に接続するだけでインストールができる製品だ。
「我々は、1年前にテスト車両向けに製品の提供を開始したが、それは非常に重要なステップだった。現在は、小型化したLiDARを車両に搭載するため、様々な要件を満たすことに取り組んでいる」とラッセルは語った。
ルミナーは、約2年後の2022年にIrisの納品を開始する予定だ。新しいセンサーは現行製品の3分の1の大きさで、車両のフロントグリルやルーフ、ヘッドライトなどに取り付けることができる。価格も従来より格段に安く、自動運転レベル4(高度運転自動化)の乗用車やトラック向け製品は1000ドルを切り、レベル2(部分自動運転)やレベル3(条件付き自動運転)の車両向け製品は500ドルを切るという。
LiDARはレーザーの反射を利用し、カメラやレーダーから取得したデータを組み合わせて3Dマップを生成する。LiDARによって車両の周囲にある障害物を高い精度で検知することが可能になる。テスラのイーロン・マスクは、4月に行われたイベントで、「LiDARは無用の長物だ」と述べたが、自動運転車を開発しているメーカーのほぼ全てがLiDARを導入している。
ルミナーは、新たに調達した資金を使い、業界首位を独走する「ベロダイン」を追撃する構えだ。自動運転車メーカーの中で最も潤沢な資金を持つアルファベット傘下の「ウェイモ」は、「Laser Bear Honeycomb」という近距離向けのLiDARを、自動車業界だけでなく、一般の商用車向けにも発売する計画を明らかにしている。
他にも、イスラエルの「イノビズ(Innoviz)」や「AEye」を含む多くのスタートアップが独自のLiDARを開発中で、ゼネラルモーターズ傘下の「クルーズ」や「オーロラ」はLiDARメーカーを買収している。