キャリア・教育

2019.07.18 11:00

24歳、新進気鋭のインドネシアベンチャー投資家が見る「新しい金融」


初期ステージへの投資は、お金だけでは済みません。感情的なつながりや、共感、モラルサポートといったものが必要になります。それらが決定的に欠けていました。資金は後期ステージのベンチャーに偏り、企業の指針は、創業者のオリジナルビジョンからかけ離れた、市場向けに歪んだものになっていました。

さらに、投資家は起業家と信頼関係を築いていませんでした。アメリカの大学で成熟したスタートアップ・エコシステムを勉強して、インドネシアではこれが必要で、市場的にもチャンスだ、と。世界で4番目に大きなこの国で、私にしかできない大きなインパクトを起こせる、と思いました。

EverHausは、オルタナティブ投資の分野で信頼されるブランドを築く、という長期的なミッションを持って、急速な経済成長を遂げる東南アジアのマーケットにおいて株主に透明性を、起業家や共同投資者に誠実さを担保しています。

500余りの企業を見ており、ディールフローの投資率は年間約2%です。今年調達予定の2000万ドルのファンドは、シードとシリーズAの懸け橋を担うものになります。市場調査からインドネシアのスタートアップ・エコシステムを支えるための投資アドバイス業務まで、現在、手がけるものは多岐にわたっています。


プレゼンテーションするジッタ・アメリヤ

──あなたのパッションは何ですか?また、どのような時に「わくわく」を感じますか?


世界そのものに好奇心があります。世界はどのように機能するのか、世界の人たちがどのように動くのか、知りたいと思っています。この好奇心によって始めた私の事業ですが、社会に良いインパクトを与える機会と、より高い責任感。この2つが成功につながると思っています。

早いうちからビジネスを通して世界を冒険できると知ることができて、運がよかったと思います。起業とは、未知の海へと導いてくれる船をつくるようなものだと思います。同じ船に乗ってくれるクレイジーな人たちもいました。起業してこれまでの道のりで、社会に良い影響を与える大きなチャンスがあると分かりました。
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構成=岩坪文子 イラストレーション=Willa Gebbie

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