米ウォートン校に在学中、経済の急成長期を迎えるインドネシアのベンチャー投資が後期ステージに集中していることに課題を感じ、卒業後に帰国してシードや初期ステージのスタートアップに投資する同社を立ち上げた。
インドネシアのキャッシュレスを担うペイメントサービスAINOや、アドテックのASCOPE Ad Exchangeなど、テック系スタートアップを中心に投資、今年はさらに2000万ドル(約20億円)の資金調達を予定している。
自らの力で道を切り拓く女性たち「セルフメイドウーマン」を紹介する連載企画。7月25日発売のForbes JAPAN9月号でも特集するこの企画で、今回は、「新しい世代の起業家をエンパワメントすることがミッション」というアメリヤに、その原動力と「わくわく」について聞いた。
──なぜ、ウォールストリートでのキャリアを選ばず、インドネシアに戻ってVCを起ち上げたのですか?
ペンシルベニア大学ウォートン校では投資と起業の2つの分野を学んでいましたが、ファイナンスの分野に魅力を感じていました。金融のシステムとプロセスに夢中で、金融市場は、あらゆるビジネスや経済と共振するバックボーンのような、魅力的な人間の仕組みだと思いました。
大学に在学中は、休みの期間を利用して何度もインドネシアに帰り、自分の新しいアイデアを試しました。既存の仕組みに変革を促すオンラインメディアや、歩道がない混みあった道でのトラック屋台ビジネス、テクノロジー分野へのエンジェル投資です。
次第に、私が喜びを感じるのは、可能性を押し広げ、他の人たちと交流することなんだ、と分かるようになりました。
銀行や投資会社で働くというキャリアをあきらめたのは、最もリスクのある判断でした。当時の友人たちは、ウォールストリートで働いて高い給料をもらっていました。一方で、それまでの起業やエンジェル投資の経験から、インドネシアでは古い世代の投資家と新しい世代の起業家たちをつなぐ新しいファイナンスが必要なことは明らかでした。