元従業員の1人によれば、フォーエバー21では新店舗の開設による固定間接費(賃料や光熱費)の増加と同時に、既存店とのカニバリゼーション(共食い)も起きていた。米コンサルタンティング会社、カスタマー・グロース・パートナーズは、フォーエバー21は売上高の30%を賃料に費やしている可能性もあると指摘している。
収拾がつかない状態に
口コミサイトのイェルプ(Yelp)などへの投稿では、フォーエバー21の多くの店舗に関する苦情が相次いでいる。これは、同社が現在の店舗数を管理し切れていないことを示唆するものだ。
顧客たちは、店内に十分な従業員がいない、更衣室が閉鎖されている、レジに従業員がいないといった不満を漏らしている。商品が床に放り投げられていたり、別のアイテムの棚に置かれたままになっていたりする店舗もあるという。
さらに、乱雑な状態どころではなく、床にほこりの塊やごみが散乱している店や、こぼれたものが拭き取られていなかった店もあったと書き込まれている。
一方、フォーエバー21は、海外事業も縮小し始めている。2008年に進出した中国市場からは、今年4月に撤退。英国でも店舗数を8から3に減らした。同国の会社登記所に提出された書類によると、2017年の同社の損失額は、6100万ポンド(約81億9700万円)だった。
破産を申請するかどうかは、フォーエバー21が店舗にかかる賃貸コストをどれだけ圧縮できるかにかかっているのかもしれない。