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2019.07.20 18:05

「スターウォーズ」のストーリーは、才能ではなく「方法」で書かれた

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私自身、映画づくりをするためにアメリカで経営の大学院に行きました。なぜ、映画づくりをしたかった私がアメリカで経営の大学院なのか? 自分のなかでは、すべて弁証法的な思考でつながっていました。
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私の夢はアメリカの映画マーケットで勝負することです。このような「合」を導き出すためには、映画を作りたいという気持ち「正」に対して、異質な「反」を組み合わせる必要があると考えました。映画をつくるために映画づくりの勉強をするのは、アウフヘーベンとはなりません。そのための手段として、私はアメリカで敢えて経営学の専攻を選んだのです。

『ジュラシック・パーク』の原作を書いた作家マイケル・クライトンは医学を勉強しています。『タイタニック』や『アバター』の監督ジェームズ・キャメロンは海洋生物学と物理学を勉強しています。世界で突出した成果を出したクリエイターの多くは、映画づくりとは別の専門分野を学んでいます。つまり、「正」に対して異質な「反」を掛け合わせることで「合」を生み出しているのです。

ヘーゲルの弁証法を理解しておくと、ホットドッグのような新しい食べ物を生み出すこともできますし、食べ物ではなく歴史や物事の仕組みを理解し、新しい概念を生み出すこともできるでしょう。もちろん、ビジネスの発想や映画のストーリー作りといった創作にも応用できます。
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「正」と「反」から「合」を生み出すというヘーゲルの弁証法は、何にでも適用可能な道具、つまりグランドセオリー(一般理論)となり得るということが、なんとなくわかっていただけましたでしょうか。

次回からは、さまざまなエピソードを織り交ぜながら、みなさんがヘーゲルの弁証法という「道具」を理解し、実践的に使う方法を紹介していきます。ぜひ、この便利な道具を創造的に使いこなしていただきたいと思います。


さかはらあつし◎66年生まれ、京都大学経済学部卒、電通を経て、カリフォルニア大学バークレー校にてMBA取得後、シリコンバレーのベンチャー企業に。その時、MBA時代にプロデューサーとして参加した映画がカンヌ映画祭短編部門でパルム・ドール賞受賞、帰国。経営技術の普及活動に取り組んでいる。経営コンサルタント、作家、映画監督、著作には経営理論の本質を楽しく学べるエンタメビジネス小説『小さくても勝てます』(ダイヤモンド社)、『徹底的自分中心 プロアクティブ学習革命』(イースト・プレス)ほか
。明治大学サービス創新研究所客員研究員、現在、初長編監督作品のドキュメンタリー映画AGANAIのポストプロダクション中。

文=さかはらあつし 編集=石井節子

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