ビジネス

2019.07.17

ダイソン創業者がシンガポールに移住へ、EV開発を本格化

創業者のジェームズ・ダイソン / Getty Images

英国の真空掃除機メーカー「ダイソン」創業者のジェームズ・ダイソンが、シンガポールで最も高額なペントハウスを約5400万ドル(約58億円)で購入した。これは、ダイソンが今後の事業活動を英国外で活性化させることの予兆だ。

現地メディアの報道によるとダイソンと彼の妻は、シンガポールで最も高いビルのGuoco Towerのスーパーペントハウスを購入したという。シンガポールで最も巨大な居住物件の一つにあげられるこのペントハウスは、広さ約2000平方メートルで、62階から64階を専有している。また、ベッドルームは5部屋で水泳プールやジャグジー、プライベートバーも備えている。

ダイソンの広報担当はフォーブスの取材に、ジェームズ・ダイソンが物件を購入した事実を認め、「当社は今後、本社をシンガポールに置き、現地でのビジネスを活発化させる」と述べた。

2018年10月にダイソンはシンガポールでEV(電気自動車)の開発を開始すると宣言していた。同社は2021年にEVの製造を開始する計画で、現地での人材獲得と、中国市場へのアクセスの良さからシンガポールを拠点に選んだと述べていた。

しかし、英国のEU離脱が迫るなか、ジェームズ・ダイソンはEU離脱支持派として知られており、その動向に関心が高まっていた。2017年のBBCの取材に、ダイソンはブレグジットで悪影響を被るのは、英国ではなく他の欧州諸国だと述べていた。

EU離脱後の英国経済には、不確実性が指摘されている。しかし、ダイソンによると「不確実性こそがチャンスであり、欧州以外の国々は急速な経済発展を遂げていることを直視すべきだ」という。ダイソンは欧州以外の国での成長ポテンシャルを探っている。

編集=上田裕資

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