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2019.07.17

「料理動画の社長」ではもったいない グノシー創業者が投資する理由

グノシー創業者、LayerX社長の福島良典(左);デリー代表取締役/CEOの堀江裕介(右)


堀江:僕は福島さんとお会いした時に、「この天才には勝てない」と思ったんです。頭の出来が違いすぎる。だから、自分の得意分野でのひっくり返し方、例えば、自分だけが持ってこられる人間関係に基づいた独自のM&A先や提携先のような「そんな組み方あった?」と驚かれる構想 で勝負しなければいけない。自分が勝てない部分をどこで補うのか、ずっと考えていましたから。

今後の戦略で一つ決めているのは、20年、この会社を経営すること。リクルートや楽天など時価総額1兆円を超えた企業は、それまでに平均20年経過しています。競合優位性は、自分自身の継続力だと思っています。事業としては、コマースをはじめ、メディア分野で描ききれなかった次のビジネスモデルを作りたい。

福島:今後10年のビッグトレンドである「オフラインとオンラインの融合」の中で、みんなが想像しているよりはるかに価値の高いポジションにいるので、さらに成長してほしい。また、堀江さんが「料理動画の社長」ではもったいない。時代に合わせて変われる企業、経営者が進化していく企業が大きくなると思います。産業を作るために、論理を超えて人間性などが総合的に成熟し、長く信頼してもらえる、突き抜けた経営者になってほしいです。


ふくしま・よしのり◎グノシー取締役 ファウンダー。LayerX代表取締役。東京大学大学院工学系研究科修了。大学院在学中に、グノシーのサービスを開発し、2012年11月に創業。13年11月代表取締役最高経営責任者に就任。18年8月より子会社LayerXの代表取締役に注力するために異動。主な投資先は、ツクルバ、600、Candle、就活ねっとなど。

ほりえ・ゆうすけ◎デリー代表取締役/CEO。1992年、群馬県出身。2014年4月、慶應義塾大学在学中に同社を設立。フードデリバリーサービス、キュレーションメディアを立ち上げるが撤退。2度の事業転換を経て、16年2月よりレシピ動画サービス「クラシル」を運営。17年Forbes Asiaの「アジアを代表する30歳未満の30人」に、メディア・マーケティング・広告部門にて選出。

文=山本智之 写真=平岩 享

この記事は 「Forbes JAPAN 新「マネーの法則」を見つけた人々」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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私がこの起業家に投資した理由

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