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フォーブス ジャパン編集部 エディター


河野は「今回で開放型シンジケートが完成したわけではない」と言い、今後もさまざまなパートナーとの提携を模索していき、圧倒的に使いやすいインフラにすることを目指していくという。また、シタテルを通じて「産業従事者の雇用の価値水準を上げていきたい」と河野は話す。

「しくみ、テクノロジーのアプローチに加え、マーケットから川上までデータ(ファクト)の重要性の理解と、フィジカルの最適化によりシタテルのつくるプラットフォームを通して新たな接点、機会を作り、産業に従事するすべての雇用の価値水準を上げていく。また、産業構造を再編集・再構築するプロセスにおいて、効率化をはかるだけではなく、そのナレッジやテクノロジーを掛け合わせて、新しいデザインと企業だけでなく、新しいマテリアルなど3つを掛け合わせることで高付加価値を生み出すなど、常に新しいものが生まれていく場所にしていきたい」

2022年、衣服産業はグローバルで200兆円市場に

今回、印象的だったのがクールジャパン機構から調達していたことだが、その狙いを河野は「グローバル展開を加速させていくため」だと説明する。

「グローバルでみると衣服産業は2022年には市場規模約200兆円と言われています。今後、グローバル市場の開拓およびグローバルインフラの構築・強化に向けてさまざまな企業との提携を積極的に推進することで事業の拡大を狙います。また、グローバルに対して物質(モノ)の強みだけを発信していくのではなく、『しくみやシステム(緻密で高い技術力)』を展開し、日本で生まれた思想をグローバルに出していきたい。そうすることで、国内事業者がプレゼンスが高まり、結果的に海外競争力向上につながっていく」

創業から5年。組織の人数も60人を超えたこともあり、「少しずつ組織の課題が浮き彫りになってきた」と河野は語り、今後、人と組織にも投資を行っていく。具体的には「経営チーム、Bizdev(精度の高いプロダクトづくり、事業開発)の強化が狙い」と河野は語る。

「これまで組織構築のトライアルとして、中核となる事業開発部を仮置きし運用を試してきたのですが、一部優先順位の判断ミスがあり、精度の高い体制を取れず、本来やるべき経営の姿とやや乖離した状態が生まれ苦しい時期もありました。ただ現在は組織の課題も明確になり、どのように最適な組織を構築・成長させていくべきかがわかった。圧倒的な事業の成長に向けて、この『新しい人・組織の構築・成長』にも投資していきたいと思います」

「現在、シタテルは第二フェーズに入っている」と語る河野。今後はグローバル展開を目指すデザイナー・ブランドも支援し、あらゆる要望にも応えられる衣服生産インフラとなることで、アパレルだけでなく、企業のワークウェアデザインを通じたブランディング支援も行っていくという。

文=新國翔大、写真=小田駿一

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