ビジネス

2019.07.16

「1年以内に1000人のクリエイターをプロデュースする」 ONE MEDIAが新事業を発表

ONE MEDIA代表取締役の明石ガクト

ミレニアル世代向けの動画制作などを手がける明石ガクト率いるONE MEDIAは7月16日、総額約4.2億円の第三者割当増資を実施したことを明らかにした。

引受先は、LINE Venture、グローバル・ブレイン、オー・エル・エム・ベンチャーズ、ABCドリームベンチャーズ、みずほキャピタルの各社が運営するファンド、及びセプテーニ・ホールディングス。

今回の資金調達により、クリエイターネットワーク事業へ投資し、クリエイターを束ねる「ONE BY ONE」という新プロジェクトをスタートすることも合わせて発表した。

レガシーなメディアとの違い

分散型動画メディアのONE MEDIAの運営に関し、一部で懐疑的な目が向けられている。ONE MEDIAの編集長、疋田万理が今年5月で同社を退職したこともこの状況に拍車をかけた。

取材に応じた、ONE MEDIA代表取締役の明石は「うまく行っていない実感はまったくない。メディア事業は昨年比で売上が伸びていますし、疋田についても、自己都合の退職であり、今回の会社の方針決定とは無関係」と否定した。

そもそもそうした憶測自体が、雑誌やテレビ、ウェブメディアなどの従来型のレガシーなメディアと分散型メディアの考え方の違いではないかと指摘する。

「レガシーなメディアでは、特定のドメイン内でコンテンツのブランド力やPV(ページビュー)を高め、いかに広告の出稿を促すかがメディア事業と捉えられている。一方の分散型メディアは、特定のドメインではなく、フェイスブックやツイッター、インスタグラムといったSNS上での再生回数が重視され、動画がひとり歩きし稼げるような状態でないと成立しない。

動画は企業のスポンサードをつけたり、自主制作してきた。大事なことは、僕らの動画コンテンツがどれくらい流通し、世の中にインパクトを与えられるか。レガシーなメディアとは考え方や概念が違う」という。
次ページ > クリエイターが主語になり、発信していく時代

文=本多カツヒロ、写真=小田駿一

ForbesBrandVoice

人気記事