ビジネスマンの新常識 「教養」としての健康情報

Photographer is my life. / Getty Images

10年後、私たちの受ける医療はどんな姿になっているのでしょうか?

それを考える上で大きな手がかりとなるのが「人工知能(AI)」というキーワードです。2016年3月、グーグルのグループ会社が開発した囲碁AI「アルファ碁」に、世界的なプロ棋士が完敗したニュースは大きく報道されましたよね。「もはや、人間をAIが超える日が近づいている」という声も高っています。

そのAIの活用が大きく期待されているのが、医療健康の分野です。国内外で、AIを医療の様々なシーンに応用する研究が、すでにいくつも行われています。近い将来、医療の現場は実際にどのように変わるのか?

筆者が取材のなかで出会った実際の活用事例をもとに、AIによって変わる医療の姿を想像してみました。


202X年、東京

数日前からお腹の調子が悪く、痛みが治まらない。もしかして「がん」だったら……。そんな不安をちょっとだけ感じながらも、病院を受診した。

胃などを撮影する画像検査を受けると、わずか15分ほどでその日のうちに結果を教えてもらえるという。ずいぶん変わったものだ。少し前までは、画像を専門の医師が1枚1枚見て判断をするために、結果は後日ということも多かった。でも最近では、AIが画像を見て、異常がないかどうか推測してくれるので、すぐに結果を知らせてもらえるようになった。

結論として、どうやら「がん」のような深刻な病気ではないらしい。良かった。

帰りに薬局に寄ると、薬と小さなリストバンドを渡された。手首にバンドをつけていると、血圧や呼吸数、さらにはいつどんな活動をしているかまで、自動的に記録されるのだという。そのデータはAIが分析し、薬を飲む前後で体にどのような変化があったかを調べてくれる。データがたまると「何時くらいに薬を飲むと一番効果が高そうだ」ということまで予測してお知らせしてくれるんだそうだ。

それにしても、何より変わったと思うのが、お医者さんと話す時間と内容だ。以前は「3分診療」なんて言葉もあるくらいに、医師と話す時間は短かったし、内容も事務的なことばかりだったような気がする。でも最近は話す時間が増えたし、内容も生活のことや家族のことなど、より親切に聞いてくれるようになった気がするなあ......。

文=市川衛

PICK UP

あなたにおすすめ

合わせて読みたい