国際モータージャーナリスト「ライオンのひと吠え」


不思議なことに今現在、ニューヨークでは、eスクーターを購入することはできるが、そのeスクーターに乗って公道に出ると、$500の罰金を課される。しかし、ニューヨーク市は近い将来、eスクーターの使用を許すと言い始めているし、他のアメリカの都会でも、eスクーターに乗れる日がそう遠くはないはず。

ところが、パリ、ベルリン、コペンハーゲンなどでは、飲酒運転による事故、放置が市民からひんしゅくを買っている。あまりにも、問題になっているので、先月パリ市のアンヌ・イダルゴ市長が「パリの街の、今のようなeスクーターの無秩序状態を改善しなければなりません」と明言した。その直後、ドイツでは、高速道路に逆走で入ろうとする人が捕まったニューズが話題になった。

しかし支持者たちは近い将来、eスクーターの欠点は利点に変えられると言う。eスクーターを使うことによって、都会に入ってくるクルマやバスは減るだろうし、それらの排気ガスが減って都会の空気がきれいになるという。「ローマやパリのような古い都会は、クルマが普及する何百年も前に設計されたので、クルマよりもeスクーターのようなパーソナルモビリティの方が、私たちの生活に大きく役立つだろうと支持者は強調している。また、日本の高齢化社会でも、eスクーターやeバイクのような乗り物は、高齢者の生活にとって、不可欠な「脚」になると支持者は言う。

それらのメリットは十二分理解しよう。だが、次世代の交通手段を計画している政府や団体などは今、かなり複雑な問題に直面している。eスクーターが法的な乗り物になるまでには、放置・駐車問題、社会との調和、そして走行の安全の基準を定めなくてはならない。電動自転車はともかく、果たしてeスクーターは高齢者の脚になりうるのか。eスクーターの歩道走行は歩行者に危険だが、車道ではeスクーターが安全なのか。自転車より、さらにモラルが問われる。

日本では業者といくつかの地方自治体が普及を宣言しているが、公道を走るには法律の壁は高く、自転車専用道もないのでインフラ整備の必要があるのは、間違いない。

連載:国際モータージャーナリスト、ピーターライオンの連載
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文=ピーター・ライオン

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