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2019.07.14 12:30

音楽は思い出の距離も縮める。「ウォークマン40周年展」でソニーが紡いだ、人々の物語を巡る


こうした思い出を想起させること自体、今回のイベントの狙いのひとつだ。会見で永野は「ソニー製品を展示した『It’s a Sony展』をソニービル時代に行った。お客さまが展示物を見て、使っていた頃の思い出を各自が楽しそうに話していた。それを見て、ソニーの存在価値は商品をつくるだけでなく、お客さまの物語をつくっていくことなのかもしれない。

もう一度同じようなイベントを開催したいと思っていた」と語った。永野自身もサカナクションの山口氏が使っていたウォークマンを目にすると高校時代にタイムスリップすると個別取材で答えた。

「ウォークマンを買ったのは比較的遅くて高校時代だったんです。買ったばかりのウォークマンで、BOØWYやTHE BLUE HEARTS、BARBEE BOYSを夢中で聞いていたのを思い出しますね。音楽は、時代も国境も軽々と超え、思い出の距離を縮めてくれるものだということを、この会場で感じてもらえればうれしいですね 」(永野)

会場を歩いていると、子どもたちがタッチパネルのゲームで遊ぶ光景を目にした。それを見て、ソニービルにあったメロディステップ(地下1階と1階を結ぶ階段を踏むと、光と音が出るようになっていた)で遊んだ子どもの頃の楽しい記憶が蘇った。ウォークマンにしろ、ソニーパークにしろ、DNAである遊び心が人々の物語を想起させることがソニーの存在価値なのかもしれないと身をもって感じた瞬間だった。この機会に会場に足を運び、当時を思い出してみるのはどうだろうか。

文、写真=本多カツヒロ

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