眼鏡を2本持っていると得られる3つのメリット

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2.レンズの種類や度数を使い分けられる

また、2本持ちの利点はデザイン面だけにはとどまらない。2本持っていると、シチュエーションに応じて度数を使い分けることもできる。

じつはシーンや目的に応じてレンズの種類や度数を使い分けることで、より快適な視界を得ることができるのだ。「2本の度数が違うと目が疲れるのでは?」と思われるかもしれないが、たとえば車の運転とスマホを使うのとでは目から対象物までの距離に大きく差があるため、それぞれに適した度数も異なってくる。とくに近くを見るときは目の筋肉が収縮し、負担がかかりやすい。そのため「遠くを見るための眼鏡」と「近くをラクに見るための眼鏡」とを使い分けたほうが目は疲れにくいのだ(単純に度数を弱めればいいというわけではないので注意が必要だが、詳しくは別の機会に譲りたい)。

3.それぞれの眼鏡が長持ちする

また、3つ目の理由として、2本を使い分けているほうがそれぞれの眼鏡を長持ちさせることができる。よく靴でも数足でローテーションをしたほうが劣化しにくいと言われるのと同様で、眼鏡も1本を酷使し続けないほうがいい。また、万が一どちらかに不具合が起きてしまった場合も、2本持っていれば安心だ。焦って次を買う必要もなく、じっくりと次の1本を探すことができる。

ちなみに私個人の話をすれば、その使い分けは2本にはおさまらず多岐に渡っている。休日は自分が今一番かけたい眼鏡を思う存分楽しむが、子どもの幼稚園行事のときは個性的になり過ぎないシンプルなものを。朝のジョギング用にはフィット感の高いスポーツタイプを……。そして、原稿を書いている今は、ブルーライトカット機能のあるレンズを入れた“近くをラクに見るための眼鏡”をかけている。こうして日常的に使い分けをしていると、逆に1本で済ますことのほうが難しく感じてしまうほどだ。

そうはいっても、眼鏡の複数本所持はまだまだ贅沢に思われがちだ。でも、靴や鞄はどうだろう? スーツを着る際には革靴を選び、シックな鞄を選ぶだろう。休日のカジュアルなスタイルにはスニーカーを履いたり、季節によってはブーツやサンダルを合わせることもある。鞄も、仕事用とは異なるものを持つだろう。さらにジョギングなどスポーツをするときには、パフォーマンスを高めるために専用のシューズを履くなど、シーンや目的に応じて自然と使い分けをしているはずだ。

起床時から就寝時までほぼ1日中着用し、なおかつ自分の顔の印象を左右するとあれば、眼鏡の使い分けは決して贅沢なことではないように思う。自分のライフスタイルにはどんな使い分けが向いているか、一度眼鏡店に相談してみてはいかがだろう。あなたの“視生活”はきっとより良いものになるはずだ。

連載:眼鏡の楽しみ方
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文=伊藤美玲

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