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ロンドンと日本、空港支援の差

そして、もうひとつ移動手段に関して、海外と比較して、私自身の経験のなかで日本が大きくギャップがあると感じたのが、海外の人たちが最初に日本に足を踏み入れることになる「空の玄関口」、空港のありようだ。

最近では、日本の空港も、発着時間を延長したり、滑走路の拡大をしたり、ショッピングモールの充実やユニバーサルデザインへの取り組みなど、東京オリンピック・バラリンピックを機に、かなり改善されてきていると聞いている。しかし、実際のところ、障がいのある人や身体に疾患を持つ人にとって、どれくらい親切かつ便利でフレンドリーな整備となっているのだろうか。とにかく私は「フレンドリー」という観点の重要性を感じている。

2年前の秋、ロンドン出張の際、朝、起きたら突然、左足が動かなくなっていた。その頃、海外出張が続き、長期移動ばかりのストレスで身体が悲鳴をあげていたのだ。すぐに病院に行き、適切な対処をしてもらったが、帰国時にもまだほどんど歩けず、「空港支援」を依頼した。

実は、空港支援を依頼するのはそれが初めてではなかった。骨折した足のまま出張に行った時のベトナムや、インドネシアの空港、ぎっくり腰がひどくなったイタリアやスペインの空港、そして帰国時の成田や、羽田、中部国際空港などでも体験した。

初めて空港支援を受けた時には、車椅子に乗せられて行くことが恥ずかしかったりもしたが、回を重ねる毎に次第に恥ずかしさよりも、各国の支援体制の違いに興味が湧き始め、この貴重な経験を楽しもうと思えるようにもなっていた。

なかでも、2年前のロンドン・ヒースロー空港での体験は、印象的な出来事だった。あの日、私は動かない足をひきずりながらチェックイン・カウンターで支援を依頼すると、まずは、専用カウンターで待機するように言われた。

ほどなくして男性係員が現れた。彼から名前を呼ばれ、1人ずつ、セグウェイと電動車椅子がつながったような乗り物で、保安検査場、そして出国審査ゲートまでスイスイと連れて行ってくれた。電動だあと感動していたら、また別の待機所に案内された。そこにはすでに5人程が待機していた。日本人は私だけ。ものすごく太った人や、足の悪そうな高齢者ばかり。どうみても多分、いちばん私が若いと思った。

しばらくすると、遊園地にあるような9人乗りぐらいの大きな電動カートが迎えに来て、鼻歌まじりの男性ドライバーは、やはり私たち1人1人の名前を呼んで、確認しながらカートに乗せてくれた。すごく太った婦人は、座席2人分ぐらいを占領したけれど、全員がカートに無事、乗り込んだ。するとドライバーは明るく「出発します!」とやはり唄うように言って、各ゲートに向けて走り出した。

文=古田菜穂子

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