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2019.07.15

従業員満足度が顧客満足度に与える影響

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従業員満足度と顧客満足度の間には直接的な関係がある。従業員が幸せなら顧客も幸せ、従業員が不幸なら顧客も不幸、というほどまで単純ではないかもしれないが、一般論で言えばさほど間違ってはいない。

従業員は、顧客満足度を支える原動力だ。従業員との交流が顧客体験の良し悪しを決める。従業員が仕事に満足していないと、顧客対応への悪影響がほぼ常に生じる。これはやがて、ビジネスに深刻な影響を及ぼしうる。

この問題が最も重大なのは、小売りや飲食など、従業員が顧客と直接関わるビジネスだ。薄給や過労といった問題を昔から抱えるこうした業界の従業員は、就業時間中ずっと顧客を相手に仕事をしなければならない。

こうした従業員は、レジでクーポンが読み取れなかったり、商品の在庫がなかったりする時に怒鳴られ、顧客に30分付き合った末にやっぱりネットで商品を買うことにすると言われる。ただでさえ感謝されない仕事なのに、さらにはチェスのポーンのように扱われる。

そこで重要となってくるのが、従業員体験だ。企業は顧客と同じぐらい従業員も大切にしなければならない。顧客体験向け予算のほんの一部でも従業員体験に費やせば、非常に大きな投資対効果があるだろう。

従業員体験を強化する簡単な方法のひとつは、従業員からのフィードバックを積極的に求めることだ。従業員は顧客のニーズをよく把握している。結局のところ、顧客と直接関わり、直に批判や褒め言葉を聞くのは従業員たちだ。顧客満足に関して言えば、従業員は最大の資産となりうる。従業員の知識を共有してもらおう。

従業員体験の大部分は、従業員のニーズや希望を理解し、仕事のやり方についての好みを知ることにある。従業員の希望を学ぶことで、企業は職場に必要な改善を行うことができる。従業員の要求全てに従う必要はないが、最小限の費用と努力で改善できることは多くあるだろう。

従業員体験でもう一つ大切なのは、研修と開発だ。従業員は仕事で活躍するのに必要なスキルを身に着け、学びと開発を継続する機会を与えられるべきだ。上司と自分の進歩を確認し、質問や懸念事項があれば話し合えるようになるべきだ。
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編集=遠藤宗生

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