保有資産およそ52億ドル(約5610億円)、フォーブス の世界長者番付で337位の富豪であるマーカスは、15年以上前からホームデポの経営には関与していない。不買運動の騒ぎを受け、ホームデポの関係者は、「わが社は基本的に、大統領選での候補者の支援を行っていない」と述べている。
一方、トランプはツイッターへの投稿でマーカスを擁護している。同社へのボイコットを呼び掛ける人たちは「急進的左派の民主党員」だとして、「悪意があり、完全に気が狂っている」と非難。「バーニー・マーカスとホームデポのために戦おう!」と訴えた。
だが、米紙ワシントンポストによれば、ボイコットの呼び掛けは、過去にトランプ自身も繰り返し行ってきたことだ。この4年近くの間に、トランプは個人でも企業でも、自分が腹を立てた相手の排斥を働きかけてきた。
その対象となったのは、米ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)、百貨店メイシーズのほか、ハーレーダビッドソン、アップル、AT&T、ジャーナリストのメーガン・ケリーなどだ。
前回の選挙では700万ドルを寄付
マーカスは6月、地方紙アトランタ・ジャーナル・コンスティテューションに対し、自身の保有する資産の大半を、慈善活動とトランプ再選の実現のために寄付する考えであることを明らかにした。2016年の大統領選では、トランプ陣営に700万ドルを寄付していた。
また、昨年の中間選挙では共和党のほか、上院指導部の活動のための基金やジョン・ボルトン・スーパーPAC(政治活動特別委員会)などに790万ドルを寄付した。
マーカスはその他、国内最大規模のジョージア水族館に2億5000万ドル、自閉症の支援団体「オーティズム・スピークス」に2500万ドルを寄付。発育障害の子供たちと10代の若者を支援する「マーカス・インスティテュート」の創設と活動にも資金を提供している。
企業や退役軍人、ユダヤ人の支援を行う「マーカス・ファウンデーション」の議長も務めるマーカスは、2016年にはイスラエルでの献血センターの開設に2500万ドルを寄付した。