7月8日、CNBCが掲載した記事で、JPモルガンが入手したiPhoneの2020年モデルの詳細情報が明らかになった。記事では、これまで報じられていた情報が再確認されただけでなく、来年発売のiPhoneでアップルが大きく売り上げを回復するかもしれない根拠が示された。
JPモルガンによると、2020年発売のiPhoneでは従来の5.8インチの機種が5.4インチに小型化され、従来6.5インチだったMaxは6.7インチになるという。また、iPhone XRはこれまで通りの6.1インチになるという。
アップルが、全ての人の好みに合う、サイズを用意することは非常に喜ばしい。さらに、全機種がOLEDディスプレイ搭載になるというニュースも歓迎したい所だ。
ただし、JPモルガンはさらに踏み込んだ情報も入手している。アップルが2020年のiPhoneを5G対応にするという情報は既に報じられてきたが、気がかりなのはXRが5G非対応になるとの情報だった。しかし、JPモルガンは「2020年の端末は全機種が5G対応になる」と述べ、従来の情報を打ち消した。背景には、アップルが先日クアルコムと結んだ契約と、iPhone 11に採用される新たなロジックボードがあるという。
さらに、2020年の3モデルのうち少なくとも2機種が、次世代のFace ID的位置づけの3Dセンシング機能「Time-of-Flight」(距離画像センサー)をサポートしたものになるという。Time-of-Flightは、光源から対象物に投げられた光が反射され、戻ってきた時間を計測し、そのズレを計算することで奥行きを測定する技術だ。
この技術により、最先端のARやVRエクスペリエンスが、ゲームアプリで実現可能になりそうだ。
さらに、デザイン面でも大きな進化が期待できる。2020年のモデルでは、従来のノッチを廃止し、フロントカメラを前面ディスプレイの小さな穴に格納する「パンチホール」ディスプレイが採用されるという。
ここまでの情報を総合すると、アップルファンが次に買い求めるべき端末は今年のモデルではなく、来年の新機種ということになる。
そんな中、今年のiPhone 11にもメリットはあるのだろうか。筆者個人としては、2つの利点を示しておきたい。まずいえるのが、写真好きな人にとっては今年の新機種のカメラ性能は十分魅力的であることだ。2点目として、バッテリーの持ちを気にする人にとって、今年の新型iPhoneは強い味方になるかもしれない。
しかし、今年のiPhoneの最大の弱点は5Gに非対応であることで、これは来年以降の中古市場での売却で非常に不利になることを示している。筆者としては、今年のiPhoneの新モデルは見送り、来年まで待つことをお薦めしたい。