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マドリード市内 / Getty Images

6月にスペインの首都マドリード新市長に就任したマルティネス・アルメイダは、前市長が定めた市の中心部への自動車乗り入れ禁止措置を撤回するつもりだった。しかし、アルメイダ新市長の試みは、裁判所によって差し止められた。

アルメイダ新市長は、前市長が環境対策として導入した市中心部への従来車(ハイブリッド車や電気自動車などの環境対応車以外の車種)の乗り入れ禁止について、「大気の質が改善されたという客観的データがない。一方で、商店や飲食店の売り上げ低下が税収に影響することは明らかだ」として、規制を見直す意向だった。

新市長の考えとは対照的に、マドリード市が導入した低排出ゾーン(low-emission zone)では、歩行者が増えたことにより、レストランや商店の売上が増加したことが確認されている。

現地の新聞El Paisが掲載したレポートでは、低排出ゾーンの導入以降のマドリード市の中心部では1カ月で、窒素酸化物の排出量が38%、二酸化炭素の排出量が14.2%減少した。この報告はマドリード工科大学の調査に基づいたものだった。

マドリード市は2018年のクリスマス時期に、中心部への車の乗り入れを禁止した。スペインの銀行BBVAの推定では、この措置により市の中心部での経済活動は促進されたという。市と銀行の調査により、自動車の乗り入れ禁止により、マドリード市の繁華街の商店の売上は9.5%の上昇になった。

マドリード市の低排出ゾーンはMadrid Centralと呼ばれ、前任の左派市長のマヌエラ・カルメーナが昨年11月に導入していた。その後、現市長のマルティネス・アルメイダが、低排出ゾーンの撤廃を宣言して以降、環境保護団体らが路上で抗議活動を行っていた。

今回の裁判所の決定は、抗議活動を行った人々には嬉しい報せとなった。「マドリード市民の健康は、車で移動をする権利よりも大切だ」と裁判長は述べ、現市長の決定を退けた。

編集=上田裕資

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