エヌビディア主導の「自動運転の安全評価」プラットフォーム

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高まる「シミュレーション」の重要性
 
しかし、ディープニューラルネットワークはブラックボックスに等しく、個別のケースに分解して個々にテストしなければならない。自動運転システムは複雑なため、考え得る全てのシナリオをテストすることはほぼ不可能であり、発生確率の低いものは除くことになる。
 
このため、ポジティブなリスクバランスを保証するために、統計解析を一定程度用いることが必要になるだろう。全ての自動運転システムが目指すのは、人間のドライバーよりも遥かに高い安全性を実現することだが、まだ誰もそのことを実証できていない。
 
現段階では、エヌビディアが主導するCLEPAの取り組みが確認と検証により注力しているように見える。SaFAD白書に関して、エヌビディアはコードの監査やテスト環境と一般道、シミュレーションでのテストの必要性を認識している。同社は、自動運転システム向けディープニューラルネットワークの開発に力を入れており、シミュレーションは重要な役割を占める。
 
このため、同社はシミュレーションプラットフォームである「Drive Constellation」を開発した。Constellationは、環境やセンサーのシグナルをシミュレートするサーバと、自動運転システムを運用するためのDrive Pegasusコンピュータという2つのパーツからなる。
 
いずれのグループも、ISO 21448の策定や、SAEによる自動運転車向けのテストやメトリックの策定に積極的に関与している。今後は、安全性を保証するための設計や評価基準がベストプラクティスとしてまとめられることに期待したい。それが実現すれば、消費者は安心して自動運転車を利用するようになるだろう。
 
SaFAD白書は既にウェブ上に公開され、ダウンロード可能な状態になっている。

編集=上田裕資

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