緊張と関心
声をかけるのに緊張をするのは自分だけではない。声をかけられる方も、恥は掻きたくないので緊張するものだ。ということは、恥を掻くことを前提にしておけばよい。すると緊張は幾分和らぐはずだ。
話が続かなくなる原因は、互いの関心が違うからだが、考えようによっては、このときこそ相手の話を聞く好機なのだ。自分の興味から外れることでも、積極的に相手に尋ねれば、思わぬ情報を得て、知見を広げるチャンスになるだろう。
どうしてもその人と話したければ
会場にお目当ての人物がいたとしても、その人が主要な人物であればあるほど、大勢の人に囲まれていて最後まで話せないという場合も多い。こういったときは、会がお開きになった後の帰り際を待ってみよう。閉会した後なら、緊張感は解けて心の余裕も生まれている。
もし、話しかけたい人が誰か他の人と話している場合、その相手に断りを入れてから、「お会いできてうれしかったです。ご挨拶だけさせてください」といって名刺を渡し、あっさり切り上げる。そうすれば、会話中だった人に失礼にはならないだろう。
人脈は、ちょっとした観察力とタイミングに気を配ることで、とてもつくりやすくなる。私たちが、生涯において直接会う人は、現在の世界人口にして24万人に1人だと言われている。それならば、目の前で会う人に何か縁を感じないわけにはいかない。出会いは大切にしたいし、そのときは会話を楽しむといった心の余裕も持っていたいものだ。
連載:表現力をよくするレシピ
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