旅するため仕事を辞めるミレニアル世代 引き留める4つのポイント

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世代が異なる従業員を管理する上で特に大きな課題の一つは、ミレニアル世代の人材の維持だ。米労働統計局(BLS)の2018年の報告書では、25~34歳の平均的な在職期間は2.8年ほどだと示されている。一方で55~64歳は、ミレニアル世代の3倍以上に当たる10.1年ほど一つの仕事にとどまっている。

またミレニアル世代は、物よりも経験を大切にし、前の世代よりも海外旅行への関心が高い。ミレニアル世代では、世界を旅し、よりノマド的なライフスタイルを送るために仕事を辞める人が続出しているとも言われている。

米調査会社のギャラップが昨年実施したアンケート調査では、ミレニアル世代の28%が頻繁あるいは常に燃え尽きを感じていることが示された。年長世代では同じように感じている人の割合は21%だった。インターネットで少し調べてみると、旅の欲求を満たすために年収10万ドル(約1100万円)超の高給な仕事を辞めたミレニアル世代の話が次々と出てくる。

こうした中、ミレニアル世代の人材を維持したい企業は、同世代が持つ旅の欲求を満足させる方法を見出さなければならない。特にミレニアル世代の間で強まる「仕事を辞めて世界を旅したい」という願望に対して、企業はどう対応すればよいのだろうか?

1. 休暇の期間を増やす

余暇の時間を過ごすことで、ストレスの減少や免疫機能の強化など良い効果がある。先述のように、ミレニアル世代は他の世代と比べて燃え尽きを経験しやすい。休暇を取ることで、燃え尽きの感覚を緩和でき、仕事に集中しやすくなることが研究から示されている。

経営者は、各職務(特にストレスが多く退屈な仕事)での休暇を増やす方法を考えるべきだ。また、休暇取得は義務とするべきでもある。米国の従業員に提供されている休暇は大半の国と比べて少なく、米国人は休暇を取らない傾向にある。休暇中は仕事のメールの確認を禁止するなど、従業員の休暇の時間を監督する方法を見つけ、従業員がきちんと休むようにすることが大切だ。

2. 出張を増やす

出張を増やすことで、旅への願望を満たすことができるかもしれない。従業員が他の地域や海外の事務所での仕事に関心を見せた場合、話し合いの場を設け、出張を増やす方法について意見交換しよう。

従業員が出張のメリットをフルに活用するためには、会社側は従業員が出張をうまく管理できるように支援すべきだ。従業員は睡眠スケジュールの乱れや、旅先で健康的な食事がとりにくいことなどを懸念しているかもしれない。会社は追加サービスを提供することで、従業員が出張の時間を最大限活用できるよう支援できる。
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編集=遠藤宗生

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