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銀行側にしてみれば、アプリと顧客データを共有しなければならない差し迫った必要性はないし、それによって収益の改善につながるわけでもない。もし複数の銀行が団結して共通のAPIを公開するようになったら、プレイドの大半のサービスの存在価値が低下する可能性がある。プレイドのうに銀行とのAPI接続によるソリューションを提供する新たなスタートアップや、前出のヨドリーら老舗フィンテックとの競争も激化している。フィンテックに詳しいあるベンチャー投資家はこう警鐘を鳴らす。

「銀行口座の多くが少数の大手銀行に集中しているため、銀行のAPI公開により顧客企業がコストにシビアになった場合、プレイドは料金体系を維持するのが難しくなる可能性があります。プレイドを採用している企業はどこもまだコストの最適化に取り組んでいないが、新規顧客の大量獲得に集中しない限り、この先どうなるかわかりません」

プレイドが同業種の先行企業より大きく成長するには、利用者を増やす必要があることは創業者の2人もよくわかっている。同業者の中には集めた顧客データをサードパーティーに売却してしまった企業もある(プレイドは自社の顧客データを絶対に売るつもりはないと語る)。

ペレットによれば、銀行口座の使い道を広げることに、大きな機会があるという。ホスピタリティやトラベル、ショッピング業界のアプリにプレイドが導入されれば、企業側はユーザーの消費動向を把握してより良いオファーを提供することができる。プレイドはすでにこの手法を住宅ローンに試験的に導入している。エアビーアンドビーやウーバーのようなクレジット決済が中心の企業が、プレイドを導入して銀行口座からの直接決済に切り替えれば、顧客に請求する料金が下がる可能性もある。

「どんな企業もテック企業になりつつある」とホッキーは語る。

「どんな企業も金融サービスを提供すべき」というのが2人の持論である。

プレイド 2012年創業、米サンフランシスコを拠点とする金融インフラサービス企業。同社のAPIを利用することにより、企業は顧客の銀行口座情報と連携したサービスを提供できる。

文=アレックス・コンラッド 写真=ティモシー・アーチボルド 翻訳=岡本富士子

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