ビジネス

2019.07.10

戦略的に「遊び場」つくる インフルエンサーを集めたコンテンツスタジオの勝ち筋

左から、CCOの栗林和明、クリエイティブアーティストのあさぎーにょ


チョコレイトとは、企画屋、映像作家、アートディレクター、ストーリーメイカーなど、主にYouTubeやSNSなどのプラットフォーム上で強烈な強みを持った人々が集まったコンテンツスタジオ。

所属するプランナーはみなそれぞれの分野で大きな影響力を持つ人々だ。なかには別に個人の仕事を持っているものもいるが、日々プロジェクトベースで会社に集まって仕事をする。

YouTuberとして主にティーン世代から絶大な支持を得るあさぎーにょもそのひとり。


人気YouTuberのあさぎーにょ

プランナーとして参画するあさぎーにょは、16年にYouTubeに動画を投稿して以来、TikTokやInstagramなど各プラットフォームの特性に合わせたコンテンツを発信。現在YouTubeのチャンネル登録数は47万人を超える。

「これまでずっとひとりでやってきたなかで、自分らしさの幅をもっと広げたいと思っていました。みんなが楽しく遊ぶように仕事をしているチョコレイトに加わることで、ひとりではできない企画にも関われて、自分の幅も広がるはず」(あさぎーにょ)

栗林は「あさぎーにょさんとは、ずっと一緒に遊んでみたかった」と笑う。

「チョコレイトに参加してくれている人たちはみんな“一緒に遊びたい”と思う人たち。それぞれのやりたいことを表明して、みんなの強みをどう組み合わせるか、どう良いコンテンツを作り上げていくべきかを考えるのが僕の仕事です」(栗林)

判断基準は「面白いか否か」


チョコレイトCCOの栗林和明

現在チョコレイトでは、YouTubeやTwitterを中心に様々なコンテンツを発信している。

例えば、小学館「小学一年生」のブランドチャンネル「ピカいち CHANNEL」や、6秒で欲しくなる雑貨専門店「6秒商店」など。いくつかの動画を観ると、どうやってこの企画に行き着いたのか、動画自体の面白さからその発想プロセスまで気になるものばかりだ。

一方で、全体の再生回数や広がりはまだ多くない。果たしてビジネス的にはどうなのか。栗林に尋ねると「いまはまだ“遊び場”です」と答える。

「みんながやりたいことをやれるフィールドを作っていますが、何をやっても良いわけではありません。ある程度の戦略を持って自由に遊んで、そこに小さな火がついたらその火をどう広げていくか。そこにビジネスチャンスがあると思っています」
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文=石原龍太郎 写真=小田駿一

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