エンジェル投資家として活動しながら、18年、再び赤坂と起業した。
「もう働かなくてもいいでしょう、とよく言われますが、(売却した)お金が振り込まれた時もあまり嬉しいという感覚はありませんでしたね。確かに家でウーバーイーツを頼んでネットフリックスを観てのんびりと過ごしていたら楽かもしれないですが、私は働くのが好きなので、働かないとダメになっちゃいそうな気がします(笑)」
仕事に愛を注ぐ、西川の「わくわくする瞬間」とその原点を聞いた。
──2017年にエウレカの取締役副社長を退任してから、どのような活動をしてきたのでしょうか。
エンジェル投資家として、ニューヨークやシンガポール、日本のスタートアップ20社以上に投資させてもらいつつ、赤坂と事業を始めています。ストリートファッション・ブランドの「WIND AND SEA」の運営にも関わっています。今はエンジェル投資家としての仕事に多く時間を割いていますね。
3年ぐらい続けていますが、投資をすることによって勉強させてもらっている、という感覚です。創業初期の会社では契約書作りの手伝いもしました。投資する際に最近注目しているのは、「海外に進出する気があるかどうか」という点です。日本国内のマーケットで数億円から数十億円の売り上げを目指せるスタートアップはそれなりにあると思いますが、そのままではマーケットは広がらない。Pairsも台湾に進出し、その後米国企業に買収されたことで、会社がいい意味で変わったと感じました。海外で挑戦するのは国内と同じようには進まないのでつらいんですけど、だからこそそれを目指す人を応援したい。本気で海外に進出しようとしている人の話を聞くのは、わくわくしますね。
──18年に新しく赤坂さんと起業した会社では、再び組織のナンバーツーをされています。
15年にエウレカを売却した直後は、正直、また赤坂と一緒に仕事をするとは思っていませんでした(笑)。もういいや、と思って。それからありがたいことにさまざまな方や企業から「一緒にやらないか」とお声かけいただいたんですが、「何か違う」とずっと思っていました。
なぜ「何か違う」のかと考えたら、自分のなかにやはりゼロイチのフェーズをやりたいという気持ちがあって、それを実現するには赤坂と組むのが一番効率が良い、と気がつきました。彼と一緒にやって、単純に楽しかったというのもあります。