ビジネス

2019.07.10

「技術と組織は分担して、会社をスケールさせる」──BASEが考える今後のCTO像とは?

BASE代表取締役CEOの鶴岡裕太


技術を極めている人が開発の現場を引っ張るべき

その後、藤川がCTOとして技術、組織の両面を見ることで、成長していったBASE。組織が成長していく中で、「採用にも注力するようになり、面接の回数が増えていき、なかなか現場に携われなくなっていった」(藤川)が、同時にチームパワーの強さを感じたという。

「約2年くらい前に川口が入社してくれて。そこから急激にチームのパワーが強くなった感覚があったんです。サービスも順調に成長していく中で考えたのが、組織を大きくするために僕がCTOだと成長が滞ってしまうかもしれない。また、理想的な組織の構造を考え、自分以外がCTOになった方がいい、と思いCTO交代の結論に辿り着きました」(藤川)

Webサービスを手がける上で技術はもちろんのこと、サービス運営・維持、チームを育てるなど、いろいろな仕事があるが、CTOはあくまで技術の責任を担う役割。だからこそ、技術部分の責任は誰かに権限を移譲し、組織のマネジメントに専念する分業体制にした方がいい。藤川はそう考えた。


新たにCTOに就任した川口将貴

「そんなことを考えていたときに、川口が現場で活躍していて、なおかつサービスに対するコミットも高い。サービスに問題が発生したら、放って置けずにすぐ対応する。安定して運用できるよう、ずっと見ていてくれる。こういう人なら権限を移譲できると思ったんです」(藤川)

川口に対する評価は、鶴岡も同じだ。

「現場からの信頼が厚く、僕と藤川が、自信を持って指名できる人。BASEはWebプロダクトとして生きていて、ユーザーに良いプロダクトを提供するのがすべての価値。だからこそ、Webサービスを1番作れる人、役職やポジョンなく現場を引っ張っていける人がCTOとして望ましい。また、これからのWebサービスを考えても、川口の方がCTO像として近い。技術を極めている人が現場を引っ張るべきだと思うんです。経営に携わっていると、どうしても現場に顔を出しづらくなるので…。その人物が僕の中では一番最初に川口をイメージできたので、川口に任せることにしました」(鶴岡)
次ページ > 開発でしかレバレッジが効かない

文=新國翔大、写真=小田駿一

ForbesBrandVoice

人気記事