お米ライターが探る世界と日本のコメ事情


4種類の「日西mix米おむすび」

そうした異質な2つの国の米を1つのおむすびとして仕上げる作業は、けっして一筋縄ではいかなかった。

スペイン米を日本米のように炊くと、食感が粉っぽくなってしまう。そこで、つむぎやは、最初にスペイン米をオリーブオイルで炒めることにした。このひと手間でスペイン米が見違えるほどおいしくなった。


スペイン米をオリーブオイルで炒める工程が肝心

日本米とスペイン米の割合も重要だ。日本米が多すぎるとスペイン米の存在感が消えてしまい、スペイン米が多すぎると粘着性が足りず、おむすびとして握れなくなってしまう。

つむぎやは、米の比率や炊飯道具、スペイン米のアルデンテ具合などを勘案して、塩むすびだけでも20種類以上のおむすびを試作。メンバーたちによる3度の試食会を経て、ようやく4種類の「日西mix米おむすび」が完成した。


下が塩むすび、上が発酵混ぜむすび、左がビネガーむすび、右がパエリアむすび(撮影:古谷萌)

1つ目は、「日西mix塩むすび〜世界で1つ目のUnited Rice Ball」で、スペイン米をオリーブオイルで炒めてから日本米と一緒に炊いて、握ったおむすび。

2つ目は、「日西mix発酵混ぜむすび〜松本野沢菜とスペインチーズ2国籍発酵食Unite」。1つ目の塩むすびと同様に炊いたごはんに、野沢菜の古漬けを佃煮にしてみじん切りしたものと、角切りにしたロンカル(羊のチーズ)を混ぜてから握り、仕上げにハモン・セラーノ(生ハム)を巻くという発酵食品尽くしのおむすび。

3つ目は、「日西mixビネガーむすび〜スペインシェリービネガーすし飯に山形の煎じきうりを合わせて」。シェリービネガーとバルサミコ酢のブレンド酢を加えて炊き込んだごはんに、塩だけで漬けて乳酸発酵させた「煎じきうり」というきゅうり漬を刻んで混ぜ込み、仕上げに1粒の生のグリーンペッパーを載せたおむすび。

4つ目は、「日西mixパエリアむすび〜スペインの国民食レシピmeets日本の乾物」。スペイン米は、オリーブオイル、ターメリック、たまねぎ、にんにく、いりこで炒めて、水を加えて煮込み、日本米は、桜えび、いりこ、干しえのき、トマトジュースで炊き、最後に両方の米を混ぜてグリーンオリーブを載せたおむすび。

いずれも、米だけでなく、食文化もmixされた独創的なおむすびとなった。

文=柏木智帆

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