──2003年から2005年までペイパルとイーベイにいました。
ちょうどペイパルがイーベイに買収された(2002年)直後でした。マスクやティールが去り、YouTubeの共同創業者スティーブ・チェン、Yelpのジェレミー・ストップルマン、500 Startupsのデイブ・マクルーア、少額融資サイトKivaのプレマル・シャーらがいるペイパルマフィアの時代でしたね。
私たちは若かったし失敗のことなんて考えていませんでした。私は(ペイパルのオンライン決済ネットワークを)いいアイデアだと思ったので、とにかく早く拡大させようとしました。18カ月で7つの国際ウェブサイト、グローバル金融取引プラットフォームを立ち上げました。私たちは思いもよらず、こんなに大きな産業をつくってしまったのです。
いまだから言えるんですが、私がやった仕事によって、いまのグローバルの決済方法が変わったとさえ思います。私はプロダクトマネージャーとして、技術的に国際間の送金をどうやって行うのか、どのように料金設定をするのか、どれ程のタイムラグで送金するのかなどあらゆることを考えながら、非常に緻密な設計をして、ビジネスを成長させました。
また、インテュイットでは、たった2人から始まった小さなアイデアの種が4人、40人、60人と広がって、多くの企業で使われるようになる過程を経験しました。同社はいま、オンライン支払いサービスで世界最大手です。いま振り返ってみても、最も目覚ましい成長を見せている企業です。
──クラーク保坂さんのわくわくする瞬間を教えてください。
私がわくわくするのは、自分がやっていることがほかの人にインパクトを与えた時です。どうしたらインパクトを与えられるかな? といつも思っているのですが、思いも寄らないインパクトを与えることができて、驚かされる瞬間があります。
私には6歳と13歳の娘がいて、なんでも話します。いいことばかりでなく、仕事上の悩みなど悪いことも言います。先日、仕事の悩みを話したら、長女が「お母さんは賢いから、大丈夫よ」と言ってくれたのが、とても嬉しかったです。
私が困っている時、娘たちは「これはやった?」「あれはやったの?」って選択肢を一緒に考えてくれます。子どもは正直でストレートなので、「ああ、それはお母さんが悪く見えてしまうね」とか、「それはよくない習慣だね」とかも言われます(笑)。