「人とのつながり」を金融が強くする! Visa クラーク保坂由美

ビザ・ワールドワイド・ジャパン株式会社のジャパンプロダクト本部長・クラーク保坂由美


「賢いから大丈夫」という言葉は、困っている人を励まして、何をすべきか考えることができる、ということですよね。私が彼女に伝えたかったことがちゃんと届いて、彼女にいい影響を与えていると実感できて、すごくわくわくしましたね。あとは以前の部下からもらった「あなたに大きな影響を受けました。あなたがいるから私はいまこの仕事をしています。ありがとう」というメールは、一生の宝物です。

──クラーク保坂さんは金融とスモールビジネスがキャリアの軸になっています。やりがいはどういったところにありますか。

私は人と人とのつながりやコミュニティの力を大切だと思っています。さまざまなグループの人が社会経済に参加するには、金融にアクセスできるようにならなければなりません。お金のやりとりやその処理をなるべく簡単にすれば、より人々の交流が活発になり、人と人とのつながりやコミュニティの力が強くなると思います。そういう力が金融にはあると思います。

スモールビジネスは規模が小さいですが、彼らにはパッションがあります。多くは自分がどれだけ儲けようなんて気にしていません。家族のため、そして自分たちの素晴らしいアイデアのためにやっています。それを支えるツールを提供するのが私の仕事です。

──日本でわくわくするのはどんな点ですか。

いま日本にはたくさんの変化が起きています。金融サービスでも経済産業省が2025年までにキャッシュレス決済比率を4割程度にするという目標を掲げていますし、4月に改正入管法が施行され、外国人労働者が増えています。女性も含め労働力が多様化し、社会が変わってきています。共通しているのは、金融サービスでも、フィンテックでも、スタートアップでも、国際企業でも、誰もが「何かしなければならない」と気づいていることです。

では、どう変えるか。日本の金融サービスで面白いのは、東京と地方で決済方法が全然違う点です。非接触型決済方法やモバイルペイメントが都会では使われていますが、地方では、人々はまだ現金を使っています。もしそれらが地方でも普及したら、もっと効率的に時間が使えるようになりますよね。それを実現したいですね。

──次世代へのアドバイスをください。

いまも感謝している私のメンターが言った言葉があります。「Just go for it!(まずはやってみよう!)」です。何かを始めるとき、自分を信じて誰かにノーと言われても諦めないでほしい。私が何かをする時、この言葉が常に頭にありました。間違っていてもいい、ということではなくて、自分がいいと思うことのために、正しいやり方を見つけて貫くことが大切なのです。


クラーク保坂由美(くらーく・ほさか・ゆみ)◎ビザ・ワールドワイド・ジャパン株式会社のジャパンプロダクト本部長(プロダクト&ソリューションのトップ)。UCバークレーで修辞学と日本の政治学を中心とした東アジア研究を専攻し、九州大学で法政治学を学ぶ。2003年からペイパルのグループ・プロダクト・マネジャーを務め、05年からイーベイで新規事業のオペレーションを担当。シリコンバレーのフィンテック企業や、米クレジットカード発行大手キャピタル・ワンなどを経て、18年6月から現職。サンフランシスコのChildren’s Creativity Museumの理事も務める。

構成=成相通子 イラストレーション=Luke Waller

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