英国ナンバーワンの中古スマホサイト「Music Magpie」は筆者の取材に、「グーグルが、ファーウェイ端末へのアンドロイド最新版のアップデートを中止すると発表してから24時間以内に、ファーウェイ端末の買取価格は最大154%も下落した」と述べた。
その後、数週間を経ても状況はさほど変化していない。創業から10年以上のMusic Magpieは現在、140カ国以上に中古端末を発送している。同社のJon Millerによると、ファーウェイ製品に対する消費者の不安感は依然として払拭できていないという。
ファーウェイ製品の多くは、米国のブラックリスト指定を受けて以来、中古市場で値下がりし、全モデルが平均75%の価値を失ったという。その最大の要因にあげられるのが、ファーウェイ製品が今後、アンドロイドOSの最新版やグーグルのアプリストアへのアクセスを失うと広く報道されたことだ。
ファーウェイは今後、独自OSのHongMeng(鴻蒙)の実装を計画中で、ロシア製OSのAuroraの採用も検討中と伝えられている。しかし、これらのニュースも消費者の信頼を取り戻すことにはつながっていない。
一方で、ファーウェイは同社の最人気モデルのP30シリーズが、アンドロイドの最新OSやフェイスブックなどの人気アプリに、今後も対応可能であるとしており、フィリピンでは「グーグルやフェイスブックのアプリが動作しない場合、全額を返金する」という特別保証制度まで始動させた。
トランプはその後、ファーウェイ製品を販売する米国企業に対する規制を緩和すると述べたが、米商務省は7月1日、ファーウェイの名前は米国が定めるエンティティリスト(規制対象のリスト)に残っていると職員向けのEメールで伝えた。
そんな中、Music Magpieはファーウェイ製品の中古市場での価値が、今後も低い水準にとどまると話している。同社のMillerは筆者の取材に「ファーウェイの中古端末の価値は、ここ数週間で75%も下がった」と述べた。
Music Magpie以外にも中古のファーウェイ端末を販売するサイトは多数あるが、既に数サイトが同社製品の取り扱いを中止した。
「ファーウェイが米国政府の措置によりダメージを受けたことは明らかだ」とMillerは話した。「今後、どのような運命が同社を待ち構えているのかは定かではないが、中古市場に限って言えば、ファーウェイ製品への需要が低下していることは確かだ」と彼は続けた。