しかし、その翌週にMadame Xはチャートを急降下し、なんと77位まで転落した。全米1位に立ったアルバムが、ここまで速いペースでチャートを転げ落ちるケースはかなり稀だ。
1週間で76位の下落はビルボードが集計を取り始めて以来、4番目の規模で、2019年に入ってからは最大の規模だ。これまで全米首位アルバムが、1週間で最大の下落を記録したのはボン・ジョヴィが2016年11月に発売した「ディス・ハウス・イズ・ノット・フォー・セール」で、全米1位を記録した翌週に169位まで沈んでいた。
史上2番目の下落幅を記録したのはオルタナティブ系のロックバンドBrand Newが2017年に発表した「Science Fiction」で、初週1位から翌週は97位に急落した。3番目は、昨年ブロックハンプトンが発表した「Iridescence」で初週1位から翌週88位に転落した。
マドンナのMadame Xは現状の勢いが続けば、ごく短期間でビルボード200から完全に消えてしまう可能性もある。Madame Xが初週で1位を達成できた背景には、秋から始まるツアーのコンサートチケットの購入者にCDが抱き合わせ販売されたこともあげられる。つまり、ツアーのチケットを予約した人には自動的にCDが配布されたのだ。
Madame Xから新たなシングルヒットが生まれれば、アルバムが再びチャートを浮上する可能性もあるが、その見込はほぼなさそうだ。