「だって(吉本興業との契約を)やめたかったら、やめたらええもん。でも、俺は悲しいよ。恋愛に例えるなら、付き合ってて『俺は大好きや、別れたら俺は死ぬ。頼むから一緒にいてくれ』って言っても、『え、嫌です』って相手に言われたら、これはしょうがないもんね。現実には割り切れないよ。『そんなこと言わんといて、ずっと一緒にいたいんや』ってなるかもしれないけど、でもしょうがないよ。相手との関係においてどっちかが嫌と言ったら」
「だから契約書があろうがなかろうが、3年契約って言ったってじゃあ3年後に別れようとか、こんだけだけど条件どうするとか、あんまりそういう考え方は好きじゃない。その日その日毎日会って顔見て今日も一緒やな、と確認する関係でいいんじゃないかなと思っています。彼らの人生なんだから彼らで自由に判断したらいいと思うし、その判断をする時にタレントと僕らで、情報をつき合わせて両方見せてから選んだらいいと思います」と語り、最後にこう話した。
「やっている主体は『物』じゃなくて『人』ですからね。だからまたいつか次起こると思うんですよ。明日なのか10年後なのか30年後なのか。でもその度に猛烈に反省して再発防止の仕組みや目に見えない関係性を築いて、叱られて反省して、全社一丸となって強くなって、また進んで、またこけて、みたいなのを繰り返すしか仕方がないと言ってしまったら身も蓋もないですけど、そう思います」
仕方がない、言葉尻だけを捉えてしまえば突き放しているようにも聞こえる。吉本興業は関与する芸人の処分を判断し、決意表明を出した。しかし、大﨑洋の言葉や態度には会社と個人の間で揺れ動く気持ちが垣間見える。人間と経営。白黒はっきりつける難しさが、言葉の合間から吐き出されるのだった。