ビジネス

2019.07.10

「男社会」の色が濃かったセガサミーがいま、ダイバーシティを目指す理由

杉山文野(左)と里見治紀(右)



東京レインボープライドのために特別に作られたTシャツとフラッグ

杉山:それはどういう思いから?

里見:最大の目的は「私たちはアライなのだ」ということを社内に向けて明確に示すことです。当社でも、自分が望まない形でカミングアウトした社員に対して、同僚から席を変えてくれという要望が出るようなことがありました。

そうした差別はしないことをグループ行動規範に盛り込んだり、同性のカップルでも届け出をすれば扶養手当が受けられるようにしたりして、仕組みを作っています。そのような様々な取り組みの集大成として今年、パレードに参加しました。

杉山:社内からはどういう反応が出ました?

里見:パレードへの参加模様を社内Webでも紹介をしたので、「参加したかった」とか「あのTシャツが欲しい」とか、そういう声がかなり出ましたね。

以前なら「ウチは男社会だから」とか「ハードルが高い」とかいった声も上がったかもしれません。たとえば、パチンコ・パチスロ機器事業を手がけるサミーの営業はずっと男性中心で、結婚しない人に「おまえ、ゲイなのか?」なんていう冗談があたりまえのように出ていました。

でも、その「冗談」で誰か傷ついている人がいるかもしれないという意識が今ではずいぶん浸透して、空気が変わってきています。

杉山:きちんと知識を伝えることができれば意識は変わりますよね。

里見:テレビのお笑い番組でもゲイを笑うようなギャグが流れることがありましたが、今は笑えない。時代も自分も変わっています。今でもそういう番組があるならスポットCMは買わないようにと伝えれば、現場もちゃんと納得してくれます。
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構成=Forbes JAPAN編集部 写真=藤井さおり

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