誘拐保険が必要な人は?
誘拐保険には、その料金に見合った価値があるのだろうか? CBIZインシュアランス・サービシズ(CBIZ Insurance Services)のダミアン・カラッチョーロ副社長は「ディレクターや幹部、従業員が海外旅行をする会社、あるいは海外に支店がある会社は、誘拐・身代金保険を考えるべきだ」と述べている。
その他に誘拐・身代金保険が必要かもしれない組織や人は次の通りだ。
・学校や大学(特に託児所や海外留学プログラムを持つもの)
・金融機関
・医療施設(得に子どもの誘拐への対応)
・海外で活動を行う非営利組織(NPO)や非政府組織(NGO)
・エンターテインメント企業
・富裕層や著名人
旅行保険で誘拐はカバーされるのか?
従来型旅行保険の一部は誘拐補償をつけているが、平均補償額は5000~1万ドル(約54万~110万円)ほどで、十分ではない可能性がある。専門家らは、身代金補償は最低でも5万ドル(約540万円)、一部の人は100万ドル(約1億1000万円)が適切だとしている。企業の場合は、企業の価値や被害者の資産によって100万~1000万ドル(約1億1000万~11億円)が最低ラインだ。
旅行保険会社ワールドノマズ・ドット・コム(WorldNomads.com)の広報担当者、フィル・シルベスターは「旅行保険企業の大半は、誘拐・身代金保険を提供していない」と説明。「そうした企業は救援チームを送ったり身代金を払ったりしない。誘拐された際にけがをした場合は医療費が補償されるし、誘拐前に購入していた旅行ができなくなればキャンセルや遅延の費用がカバーされる」と語った。
誘拐保険でカバーされないものは?
誘拐・身代金保険にもいくつか制約がある。
まず、身代金額やその他の補償の制限がある。また地理的制約として、永住している国の外に滞在している期間に適用されるものが多い。一部の保険は最大日数適用されるが、各旅行における旅行日数を基準とする保険もある。
さらに米国の誘拐・身代金保険は、米国が制裁を科している北朝鮮やイランなどの国には適用されないことが一般的だ。適用されるかどうか確信が持てない国に旅する場合、事前に旅行会社に確認すること。