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Forbes JAPAN Web編集部


武井:言葉が邪魔になってくるのでしょうね。僕も肩書きが上に来るより、武井壮のまま生きていきたい。武井壮である僕が、アスリートをやる時間があったり、タレントをやる時間があったり、百獣の王としてパフォーマンスする時間があったりするわけだから。どんな仕事をする時も武井壮がやっているんだ、と。僕だけじゃない。本来、みんなそうあるべきだと思います。

コシノ:そう、肩書きなんてとってしまえばいいのよね。

武井:はい、みんな「百獣の王」でもなんでも、好きなものをつければいい。

コシノ:でもね、それは全員が簡単にできることではないとも思うの。肩書きなしに、仕事という意味で自由に好きなことができるようになるためには、やっぱり人に認められていなくてはだめ。有名でなければできないことがある。最初に武井さんがお話されたように、人に求められる状況をつくっておかないと、ただのわがままになってしまうかもしれない。

何かの分野で一度は世の中が認める仕事をしておかないと、本当の意味で自由な発想はできない。人生のある時期には、一つのことに夢中になって取り組んでいる時がないとだめだと私は思います。

自由な表現を続ける近道は、世に出て認められること

──アーティストが世に出ようとしたときには、どんな課題があるでしょうか?

コシノ:一刻も早く世に出たい、世間に認められたいと願うアーティスト志望の方も多いでしょうけど、決して「自分」の力だけで有名になることはできません。「人」や「他人」が勝手に「有名にしてくれる」ものなんです。人に認められてはじめて有名になれる。世に出られる。すごく当たり前のことですけれど、これを忘れてはいけません。

もっといえば、「アーティスト」かどうかも、実は他人が決めることだと思います。

武井:たしかにおっしゃる通りですね。アスリートだった僕も、かつては「いい結果さえだせば、有名になれる」と勘違いしていた時期がありました。ナンバーワンを目指して、技術を伸ばすことだけに集中しすぎていたんですね。

作品が人の目に触れる機会を自分で増やしていくこと。価値をわかって支えてくれる人たちと出合うために、接点を増やす行動を続けるのは大切だといまならわかります。籠っているだけでは埋もれてしまう。

コシノ:そうね。ピカソやダリもそうですけど、古今東西、売れっ子だったアーティストはみんな社交的で、タレント以上に有名だったそうですよ。

コンテストや作品展、アートフェア、そして今回私たちが関わっているアートバトルなどのイベントに出てみるのも一つかもしれません。機会は自分でつくっていかないと。


文・構成=松崎美和子 写真=帆足宗洋

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