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2019.07.07

「夫婦で売上10億」企業に イタリア発植物由来コスメブランドが成功した理由

レルボラリオ(L’Erbolario)

植物の力を借りて体の不調や、病気の症状を緩和させる「フィトテラピー=植物療法」が今、日本でも注目されている。

フィトテラピーは、もともとはヨーロッパの文化だ。そして、ヨーロッパの人々の暮らしに根ざしているのが「エルボリステリア(HERBORISTERIE・ハーブ薬局)」。身体の不調を感じた時に気軽に頼れる場所だ。植物療法を熟知した薬剤師が親切に、その顧客にカスタマイズしたハーブを選び、ケアを提案してくれる。イタリア人のライフスタイルにも浸透したエルボリステリアは、街中いたるところにあるという。日本でいうなら、そこまでの店舗数ではないものの、「ロクシタン」を想像するとよいかもしれない。

1978年、北イタリア、ミラノ近郊のロディという小さな街で、代々伝わるハーブのレシピをもとに化粧品を作り始め、エルボリステリアを全国に展開している有名ブランドがある。日本でもオンラインショップなどで入手可能なブランド、「レルボラリオ」だ。イタリアでは薬局でも取り扱いがあるという。日本では、パッケージの美しさでも人気だ。

レルボラリオは自社の菜園で原料のハーブを栽培し、自社で研究開発も行い、ハーブ療法の伝統技術にコスメ製造の最新技術を融合させることに成功した。

さてこの「レルボラリオ」は果たしてどんな人物によってどのように創始され、人々の心をつかみ、市場を広げていったのだろうか。

「フォーブス・イタリア」から翻訳許諾を得たので、以下全文を掲載する。

1978年、イタリアロンバルディア州、ローディ。フランコ・ベルガマスキと妻ダニエラ・ヴィッラは、人生をかけた夢を追いかける決意をする。それは、エルボリステリア(ハーブ薬局)をオープンすること。

「打ち明けた瞬間、両親と義父母を激怒させてしまいましたね」。『レルボラリオ(L’Erbolario)』の創業者であり、代表取締役のベルガマスキはこう説明する。


アッダ公園にひっそりと建つレルボラリオ本社
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翻訳=大村紘代 編集=石井節子 写真=Forbes Italia提供

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