「レルボラリオ」本社は、ローディの、アッダ公園にある20万平米の土地にある。プロダクト開発から、製品化、パッケージング、販売店舗への発送に至るまで、すべてがここで行われている。仲介業者を入れないことで、小売業者、卸売業者、代理店などのコストは抑えられている。
コスメ製品は自然派で、製品に含まれるハーブはロンバルディア州にある植物園で栽培される。製品によっては、ペルージャ県のセルチラーマ・ディ・サンジュスティーノにある、2004年創業の「エルバメア」ブランドの支社で栽培されたものが供給される。
そして、ロジスティクスの中心は2万8千平米にわたる。
「ガスは使わず、冬季は地熱発電の設備とヒートポンプで暖をとっています。またソーラーパネルを設置し、年間に使う電気の大部分は自社でまかなっています」
創業者が誇らしげに説明する。また、製品の容器類にはリサイクル可能なガラスが使用され、プラスチック容器の大部分は、さとうきび由来のものだ。また紙類は、森林資源の正しい管理や林産物の流通過程を精査する機関「森林管理協議会(Forest stewardship council)」から認証を受けたものである。
動物を使った品質検査には断固「NO」
こだわりは他にもある。
「レルボラリオ」の事業に関わるということは、その価値観を共有することを意味する。2013年には、倫理的な問題を理由に、中国市場から撤退する決断をしている。ベルガマスキによると「わが社の製品は中国からよい評価を受けていたのですが、その後、認証審査が厳しくなって、動物を使った品質検査の実施が確実になったので、撤退を決めました。代償は大きかったですよ。とくに台湾やマカオでは製品がよく売れていましたから。中国側が動物による製品テストを早く中止してくれることを、ただ祈るのみです」
自国イタリアでしっかり根を張っている一方で、海外での売上げは全体のほんの10%だ。創業者はこう話す。
「私のせいなんですよ。これまで海外市場に十分な精力を注いでこなかったので。ただ、息子のルイージが最近加わってくれたので、彼や海外の仲間たちの力を借りて改善していきたいですね」。
レルボラリオは1年ほど前からEコマースにも参入した。
「イタリアでは、オンラインでのコスメ製品の購入というのは、全体のわずか3%なんですよ。でも、インターネットのおかげで、顧客と直接つながることができますから」
これらはすべて、ベルガマスキの父の、薬用ハーブへの愛が発端となり、父から息子へとその情熱が受け継がれたからこそ始まったものだという。「若い人たちにアドバイスですか? そうですね、夢を耕すこと、努力をやめないこと、それから忍耐強さを少し持ち合わせること、だね」。
「レルボラリオ」の創業ストーリーには、実にチャレンジ精神をくすぐられる。