グラストンベリー効果で英国No1に復帰するカイリー・ミノーグ

カイリー・ミノーグ/ Getty Images

1968年生まれのベテランシンガー、カイリー・ミノーグが「グラストンベリー効果」で英国の音楽チャートを急浮上しようとしている。
 
全英チャートを集計するオフィシャル・チャート・カンパニーは、6月30日にグラストンベリーフェスティバルに出演したミノーグの楽曲セールスが急上昇したと報じた。彼女のベストアルバム「Step Back in Time」は、7月5日に発表される全英アルバムチャートで首位に立つ見通しだ。
 
「Step Back in Time」はオーストラリア出身のミノーグにとって、7枚目の全英ナンバーワンアルバムになる。同アルバムは彼女の40年に渡るキャリアを網羅したもので、チャート首位を記録した7曲を含む、全42曲入りの構成だ。
 
今年のグラストンベリーフェスティバルには20万人が詰めかけ、数百万人以上がテレビで視聴した。英BBCによると、ミノーグのステージは今年最大の視聴者数を獲得し、ピーク時には390万人が観たという。
 
同じくグラストンベリーに出演したザ・キラーズも230万人、ザ・キュアーも190万人、ストームジーも150万人の視聴者数を記録した。BBCは今後、インターネット経由の視聴者数も開示する予定だ。
 
音楽業界のアナリストによると、グラストンベリーの出演料はさほど高くはないが、このフェスはアーティストに巨大なプロモーション効果を与えるという。テレビでライブ中継を楽しむイギリス国民の大半は、不便さを嫌い、野外の音楽フェスティバルには出かけない。しかし、彼らも日曜の夜に自宅のソファーでくつろぎながら、現地で音楽に熱狂する人々と、そこでプレイするアーティストらを目撃する。
 
今年のグラストンベリーは、異常な高温に襲われたことで話題となったが、会場内でプラスチック製ボトル入り飲料の販売を禁止したことでも注目された。さらに、BBCの海洋ドキュメンタリー「ブルー・プラネット」のナレーションを務める93歳の動物学者デイビッド・アッテンボローがステージに立ち、ペットボトルを使わなかった観客たちに感謝の気持ちを伝えたことも報じられた。
 
ローリング・ストーンズやレディオヘッド、U2やアデル、ライオネル・リッチーといった大物アーティストも過去にグラストンベリーに出演した際に、その翌週以降に急激なセールスの上昇を記録していた。

編集=上田裕資

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