ビジネス

2019.07.04 07:00

ジョブズとの会話が原点。アップルを経て見つけた、「サッカーで世界を変える」挑戦

ソーシャルサッカーブランド「PARK」を立ち上げたサム・デイビー


──個人的にサッカーボールのデザインが印象的です。クリエイティブにおいて、どのようなことを意識しているのでしょうか?
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意識していることは3つあります。それはメッセージ、デザイン、楽しむです。まずメッセージですが、僕が大事にしているのは「Open Eyes」という考えです。世の中には不均衡があって、恵まれている人、恵まれていない人がいる。その事実に気づいてほしい。その意味を込めて、ボールの真ん中に「目」をデザインしています。

2つ目のデザインは、先ほども言いましたが、シンプルであることにこだわっている。そして最後の楽しむは、シリアスな感じにするのではなく、見て、楽しめるようにしています。


「目」のデザインが印象的なPARKのサッカーボール
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──何もない状態から、ボールを作るのは大変そうですね。

たしかに大変な作業でしたが、想像していたよりも大変ではなかったです。なぜなら、良い製造パートナーと出会うことができ、試行錯誤を繰り返しながら、一緒に情熱を持って商品づくりに取り組むことができたからです。1度取り組んでからはお互いのこともわかり、より良い環境で仕事に取り組むことができています。

そのおかげで、僕は商品に対してクリエイティビティを与えること、魂をつぎ込むことに集中できるようになっています。

自分がやるべきことにフォーカスする。これが自分の大切にしている考えでもあり、アップルでスティーブから学んだことでもあります。

いろいろな選択肢がある中で、何かひとつを選ぶのはすごく難しい。ビジネスでは尚更です。10個くらい選択肢があり、選ぶべきひとつの選択肢と残りの9個の選択肢は基本的に似ていて、同じような色をしている。その中で正しい選択をするのはとても難しいけれど、スティーブはそれがものすごく上手だった。自分が今でも正しい選択をできているか分からないが、自分の中でスティーブからの学びは常に意識して、仕事に取り組んでいます。



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文=新國翔大、人物写真=小田駿一

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